劇場公開日 2016年7月9日

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「野暮は言わずに無邪気に楽しみたい娯楽作品」インデペンデンス・デイ リサージェンス みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0野暮は言わずに無邪気に楽しみたい娯楽作品

2023年3月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

知的

人気はあるが、低評価が続いていたので、鑑賞を躊躇っていたが、生来、この手の作品は好きなので、我慢できずに鑑賞した。

本作の舞台は前作の異星人襲来から20年後の地球。人類の想像以上の進化を遂げて再来襲した異星人に防戦一方だった人類が、知力を振り絞って異星人の弱点を見つけ出し、壮絶な攻防戦の末に再び勝利を収めるまでを、最新CG技術を惜しみなく注ぎこんで迫力十分に描いている。

重力を自在に操ることができる異星人の超巨大宇宙船には圧倒されるが、これではどう考えても、人類に勝ち目はないのではと心配になってしまった。次回作もあるようだが、その時には、どんな宇宙船が登場するのだろうか。監督のアイデアに期待したい。

本作は、CGだけが際立っているわけではない。登場人物達の人物像は明確になっている。ライバル、恋愛、親子、という人間関係もしっかり描いている。新登場の若手俳優も頑張っているが、特に、前作から続投の熟年男優の活躍が目立っている。安定した演技で作品をしっかり支えている。

また、様々な登場人物たちのエピソードを巧みに組み合わせて同時進行していく展開はアメリカ映画の独壇場。悲壮感漂う場面も、どこか余裕がありユーモアを忘れないところもアメリカ映画らしい。中国との絡みも、最近のアメリカ映画の傾向であるが、最近の中国の著しい台頭を反映している。かつては、旧ソ連の役割だったが、完全に中国に取って代わられてしまった。時代の趨勢を感じる。

さらに、異星人との空中戦はスターウォーズ、異星人の不気味さはエイリアン、終盤のバスの疾走はスピードのようであり、懐かしかった。

本作は、詳細に理詰めで観れば、設定は荒唐無稽であり、突っ込みどころ満載である。20年も経っているので、前作と比較すると不満続出である。そういうところが低評価の理由だろう。

しかし、前作から20年以上も経ったのである。前作の続編ということをあまり意識せず、新作と割り切って、野暮なことは言わずに、無邪気に楽しんだ方が、断然に面白いエンターテーメント作品である。

みかずき