劇場公開日 2015年11月14日

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「日本社会を描いてくれてありがとう」恋人たち ビート板教室5年目さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0日本社会を描いてくれてありがとう

2015年11月30日
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鑑賞方法:映画館

韓国の南北問題を描いたレッドファミリーやフランスに根付く教養の階級社会を描いたアデルブルーは熱い色
アメリカを風刺した天才スピヴェット等。
社会の姿を切り取った名作は沢山あるのに、どういうわけか日本の社会を描いたドラマには最近出会っていなかった。

日本のいまを生きる人々の出口の見えない絶望が、橋口監督の実体験を交えてスクリーンに映し出され続ける。

この映画の舞台である日本は紛れもなく自分達が生きている社会で、登場人物達は自分達の隣人であり、自分達自身でもある。

しかしこの映画は同時にかすかな希望を納得のリアリティで提示してくれる。

橋口監督には、日本社会を描いたこんなにも良質な作品を撮ってくれた事に感謝したい。

ビート板教室5年目