劇場公開日 2015年8月22日

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「16年24本目はサイコな主人公のブラックなサクセスストーリー。」ナイトクローラー Aさんの映画レビュー(感想・評価)

4.516年24本目はサイコな主人公のブラックなサクセスストーリー。

Aさん
2016年10月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

知的

16年24本目はサイコな主人公のブラックなサクセスストーリー。よくタクシードライバーとセッションと並べられるみたいだけど、セッションはよく勧められるのでぜひみてみたい映画のひとつ(DVDあるんだけどね)。
本作、一言で感想を表すなら、気色悪い映画でした(褒め言葉)。犯罪現場を撮りテレビ局に売る事で収入を得る職業の話。最初から主人公に人間の心が無いので、どんなに悲惨な現場も、時には現在進行形の犯罪すらもカメラに収めようとする。後味悪いがバッドエンドじゃない珍しい結末。
主人公、まるで人間の心が無くて、神経質で仕事と金のことしか頭に無いし、それでいて心理描写も過去の描写もほぼ無い冷淡野郎だし、何より表情が不気味でおそろしい!でもその性格で良い映像=ショッキングな映像を撮れるわけで、ビジネス的にはオ〜ルオッケ〜。
たぶんこれは単に「視聴率のためならどんな反倫理的映像でも流していいのか?」っていうマスコミ・パパラッチに対するアンチテーゼというわけではなく〜、「今時ビジネスに成功するには良心をどんだけ捨てられるかや!」ってブラックなビジネス教則本って感じなんかな〜とおもいました。
良心をどんだけ捨てられた方がビジネス的に上に立てるのか、この文章だけだとえらく冷たく感じるけれど、本作を通して言うならそれを作り上げたのは視聴者≒世知辛い世の中ってことになるから自業自得だと思う。主人公は冷酷で人間としては屑かもやが、ビジネスマンとしては優秀だったんだと。
最初は家庭用?ビデオカメラを手に痴話喧嘩や飲酒運転の検閲なんかを撮ってたのに、もっと良い画を撮ろうと最終的には良い機材を揃えて殺害現場やカーチェイス、銃撃戦を撮りに行っちゃう。あぶね〜〜!ヒヤヒヤしながら観ましたわ
冷酷な主人公ルーを怪演したこの人どっかでみたことあるな〜とおもって観てたけどドニーダーコだった。(ジェイク・ジレンホール)この人も作品によって体型や雰囲気ががらりと変わる怪演役者なのね。目力がとても好きだ!

A