劇場公開日 2015年1月9日

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「スラムのゴミ山から世界を変える」トラッシュ! この街が輝く日まで 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0スラムのゴミ山から世界を変える

2018年12月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

監督は、人間ドラマの名手、スティーヴン・ダルドリー。
脚本は、ラブストーリーの名手、リチャード・カーティス。
なので、てっきりそういうジャンルの内容かと思ったら…、

ブラジル、リオデジャネイロ。
郊外のゴミ山で、ゴミを漁って暮らす3人の少年はある日、一つの財布を拾う。
その財布には、世界に波紋を拡げる秘密が隠されていた…!
財布を手に入れようとする悪徳警察や圧力をかわしながら、少年たちは秘密を解明しようとする…。

この2人のタッグで、意外やサスペンス!
追いつ追われのスリリングさは充分でありながら、しかし単なる陰謀サスペンスに留まらない。
リオデジャネイロのスラム街やそこで生きる人々の現状、社会派性もしっかりと。
何より、少年たちの一種の冒険物語としてのエンタメ性もある。
『シティ・オブ・ゴッド』×『スラムドッグ$ミリオネア』という批評に納得。

とにかく、少年たちの逞しさ!
危機や実際身に危険が及んだり、命を狙われるなどの場面が幾度あった事か。
それでも屈しなかったのは、最初は金目当てだったかもしれないが、ただ真実が知りたいという探求心やこのスリル溢れる冒険。
そんな少年たちの行動は誰にも止められない。
それを体現した、オーディションで選ばれた3人の無名の少年の熱演も見事。

少年たちが暴いたのは、悪徳警察の暴力や政治の腐敗。
大人たちの傲慢や社会悪。
街中から、世界中から、英雄視される。
が、自分たちが英雄視されている事など露知らず、ラストの少年たちの表情は無邪気で純粋であった。

近大