プリデスティネーションのレビュー・感想・評価
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鶏が先か卵が先か
イーサン・ホークが出てるってだけで、情報を何も入れずに観た作品。
一人の数奇な運命の物語なのですが、これが面白い。
特に大きな転換もなくしっとりとした進行だけど、なぜか妙に先が気になってしょうがない作り。
先が見えそうで全然見えないのが良いのでしょう。
ずっと翻弄され続けるのが見ていて少し辛くて、「この生き方は孤独か?」の一言が重く響きました。
そのゆっくりとした流れから一転、中盤から見せる回収が見事。
ここからは驚きの連続でした。
エンディング間際には、全てが一本の線に繋がるのが見事すぎる。
本当に何気なく、イーサン出てるからって理由で観たがこれは傑作。
鶏が先か卵が先か、とんでもないインパクトでした。
その手があったか。
支持。
その手があったか。
タイムパラドックスへの回答として、あまりに珍妙だが、だからこそアリか、これしかないか。
生き死に含めて一つの時代に円環封印する策。
ガタカな清潔で不穏な空気も心地好い。
戸惑いヒビらせたら世界一のイーサン・ホークにはハマり役。
想像できるけど想像を超えた
タイムスリップ系の映画なので
何となくストーリー的なものが想像できますが
それでもその想像を超えるような展開には驚きました。
なるほど!ってまでストンと腑に落ちることはなかったけど
よく考えたなぁって関心は出来ました。
サラ・スヌークが魅力的で好奇心をそそられました。
作り込まれたSF作品
よくできてるな〜。と思った。
爆弾魔と、それを止めようとする捜査官。
バーテンの男と、客のジョン。
すべての人物の話が繋がり、複雑に絡み合い、ラストへ繋がっていく。
調べてみると、ロバート・A・ハインラインの「輪廻の蛇」という短編が原作になっているよう。
ラスト、全ての事実が分かるまでは良かったが、
終わり方があまり腑に落ちなかった。なので3.5。
原作も読んで、考察してみようと思います。
輪廻の世界の息苦しさと絶望・・・
テロ犯罪を防止する時空警察の活躍と苦悩を描く物語。
タイムパラドックスを描くことだけに注力した作品です。
映画冒頭から、上手に伏線が張られていて、その展開に感心しました。
イーサン・ホーク、サラ・スヌークの演技も魅力的で、映画の評価を高めてくれたように感じます。
ただ、それでも「タイムパラドックス」だけの作品です。何の生産性もない、行きつく先はない、ただループしているだけのもの。
映画として、高い評価は難しいと感じるものでした。
コッテコテの・・・
50年前に誰かがこの話を書いたとしても「 このアイディアはちょっと古いなあ」と言われてしまいそうな話だと思った。オーストラリアの映画は半世紀遅れているのか?
前半に出てくる回想の中の回想が独特の雰囲気を醸し出していて面白いと思った。普通、脚本家というものは回想の中には回想を入れないように気をつける。だからこの映画の中でそれが出てきた時に、おや?と思った。後で「あーそういうことか」ってなって私としては、まあそれほどびっくりするような展開ではなかった。
それでもこの作品が駄作となってしまっていないのはその脚本のキレ良さであろう。余計な登場人物が一切登場しないところが良い。また膨らませたエピソードも一切ない。よくできた短編小説のようにすべてがキチンと嵌りこんいてスピード感があって見やすかった。また余計な人物が出てなく、必要人物のみでまとまってるところからとても不思議な感覚が醸し出されている。その辺のところが認められてきっとこんなベタな作品が映画化されたのであろう。
ニワトリとタマゴ
ジョンの身の上話は凄まじいものだった。“未婚の母”と名乗って告白本に連載を持ち生計を立てているという。1945年に孤児院の前に捨てられ、最初はジェーンと名付けられた女性だったのだ。宇宙飛行士に憧れ、最終試験にまで合格するのだが、些細なケンカによってクビになってしまう。そんなとき、ある男と知り合い、子を身籠り出産するが、その赤ん坊も盗まれてしまう。やがて、かれは両性具有者だったことがわかり、性転換で男性となる。運命をズタズタにした男を殺してやりたいと願うのだ。
バーテンダー(ホーク)は自分の後継者になることを条件に、彼を1963年に連れて行く。ジョン(スヌーク)が出会ったのはまさしく過去の自分ジェーンだったのだ・・・バーテンダーは1年後にジャンプし、保育器から彼らの赤ん坊を盗み、1945年に飛んで孤児院のまえに捨てる。なんというタイムパラドクス。頭が混乱してしまう。
そしてバーテンダーは1万人もの犠牲者を救うため1975年に飛び、コインランドリーで犯人と対峙するが、それは老いた自分だった。こちらはわかりやすいが、バーテンダーは一度大やけどを負ってるハズ。いったいどこからタイムジャンプしてきたのか・・・
鶏が先か、卵が先かという命題をそのまま使ったSFとして絶妙な面白さ。しばらく経っても頭の中をぐるぐる回ってる・・・
自分の1番の理解者は、、、自分。
バーテンダーへの衝撃的な一言から、淡々と自身の過去を語る1人の男性客。退屈にも感じてしまう興味付け部分だが、数ある伏線をわざと観せている脚本が凄い。
過去と現在を行き来するという、いわゆるよくあるタイムリープ(時間跳躍)。犯罪を未然に防ぐという目的だが、少しずつ、少しずつ、話は深く、難しく。キャストの少なさが1つの事柄を、深く深く掘り下げていて面白い。
ちなみにデスティネーションとは。調べてみると英語で『目的地』を意味しており、台詞の中にも度々『目的』という言葉が出てくる。そして何よりも興味深いのは、『データ転送』『複製』『変換などでの変換先』という意味もある言葉だという事。これが、全て含まれているストーリー展開は必見。
気付いた伏線の先読みが合っているかどうかも、考察しながらじっくり楽しみたい。完成度の高い作品。
"自分なり"故の運命
終着点はあるけれど、起源がない。
タイムリープものではあるけれど、結局は人は生きていく中で往々にして思いもよらぬ何かに辿り着き、時としてそれまでの自分と大きく違う、予想も出来ない自分に変わっていくっていうことと、そこに運命的な何かを感じてしまうということなんだろう。
雄鶏が先か・・・
バイオリンケースでタイムトラベル
タイムトラベルものといえばバック・トゥ・ザ・フューチャーがまっさきに頭に浮かぶが
本作のタイムマシンはデロリアンのように物語の中心には躍り出ない
SFにおけるこの手の小型(あるいは無形)のタイムマシンは、
物語を描くためのマクガフィンとして扱われることが多い
ダイヤルには少し心ときめくが、その描写自体は控えめ
難解な設定なので適切な取り扱いだ
冒頭から細かい伏線が張られすぎていて、
SF好きならなんとなく展開は読めるが
その伏線が丁寧に回収されていくのが非常に面白い
しっかり見ていれば、「こんな小ネタまで回収するのか!」という感動が味わえる
ダイナミックな場面はないけれど、アクションあり
タイムマシンものの醍醐味が詰め込まれた作品
長さも短く、サクッと見れるのも魅力
原作未読。爆弾魔部分が映画オリジナルなのかな。
ハインラインの名作短篇として名前は当然知っていたが、こんな無茶苦茶な話だったとは知らなかった。正直ハインラインはあまり好きではないが、ちょっといやかなり見直した。巨匠侮りがたし。
そして60年以上前に書かれたこの一発ネタSFが、ド派手な大作映画にもチープなc級作品にもしない絶妙な匙加減の演出センスで、そして話を単純化どころか更に盛ってきた脚本で、その上それを可能にする主役で、映画化されててよかった。
予備知識0で観てほしい
真相が分かったとき思わず唸ってしまった。
こんな感覚を味わわせてくれた映画は他に無いかもしれない。
自分の中で未だに一位を争う映画です。
オチが全て。だから予備知識0で観てほしい。
類を見ないタイムループ物
個人評価:3.8
紙と鉛筆を持って見るべきかもしれない。
時間の概念を斜め上の角度から捉え、新しいタイムループの物語に仕上がっている。
それだけに物語の肝である「卵が先か鶏が先か」のフレーズは余りも核心をつく言葉なので、劇中では触れてほしくはなかった。
タイムループ物では頭一つ出ている作品。
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