劇場公開日 2015年2月28日

  • 予告編を見る

「ニワトリとタマゴ」プリデスティネーション kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ニワトリとタマゴ

2020年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ジョンの身の上話は凄まじいものだった。“未婚の母”と名乗って告白本に連載を持ち生計を立てているという。1945年に孤児院の前に捨てられ、最初はジェーンと名付けられた女性だったのだ。宇宙飛行士に憧れ、最終試験にまで合格するのだが、些細なケンカによってクビになってしまう。そんなとき、ある男と知り合い、子を身籠り出産するが、その赤ん坊も盗まれてしまう。やがて、かれは両性具有者だったことがわかり、性転換で男性となる。運命をズタズタにした男を殺してやりたいと願うのだ。

 バーテンダー(ホーク)は自分の後継者になることを条件に、彼を1963年に連れて行く。ジョン(スヌーク)が出会ったのはまさしく過去の自分ジェーンだったのだ・・・バーテンダーは1年後にジャンプし、保育器から彼らの赤ん坊を盗み、1945年に飛んで孤児院のまえに捨てる。なんというタイムパラドクス。頭が混乱してしまう。

 そしてバーテンダーは1万人もの犠牲者を救うため1975年に飛び、コインランドリーで犯人と対峙するが、それは老いた自分だった。こちらはわかりやすいが、バーテンダーは一度大やけどを負ってるハズ。いったいどこからタイムジャンプしてきたのか・・・

 鶏が先か、卵が先かという命題をそのまま使ったSFとして絶妙な面白さ。しばらく経っても頭の中をぐるぐる回ってる・・・

kossy