劇場公開日 2014年12月26日

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「今回は“最強の映画”ではなかった」サンバ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5今回は“最強の映画”ではなかった

2019年3月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

楽しい

寝られる

『最強のふたり』の監督コンビと主演オマール・シーが再タッグ。
人種や立場を超えた友情物語から、今回は移民問題。
シリアスなテーマを再び、ユーモアとハートフルで包んだ好編かと思いきや…。

料理人を目指し、フランスで10年暮らすセネガル人のサンバ。
ビザ更新をうっかり忘れ、国外退去を命じられ、拘束されてしまう。
移民協力ボランティアのアリスは、サンバを救おうと尽力するが…。

どんな状況下でも忘れない明るさ、前向きさ。
恋や似た境遇の人々との出会い。
サンバの人懐っこい笑顔と共に、軽やかに描かれてはいる。
…が、実際は思ってたよりシリアス。
序盤が結構重たい。中盤は楽しくなるも、後半はまた…。
いまいち乗るに乗り切れず…。

移民問題が題材だが、厳しい社会で生きる人々のドラマ。
不条理で時に声喚きたくなっても、逞しく生きるサンバ。
社会の荒浪に呑まれ、燃え尽き症候群のアリス。
出会った人々も各々、何かを抱えている。
彼らのめげないドラマはいいが、移民問題をもうちょっと共感出来るように描けなかったものか。

悪くはない作品。
でも、あの“最強の映画”ほどではなく、少々期待外れ。

近大