「ドラえもんはこんな薄っぺらくねえ!」映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ) くりあさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0ドラえもんはこんな薄っぺらくねえ!

2015年5月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

寝られる

この作品で、子供に何を伝えたいのだろうか。

ドラえもんって、こうじゃねえだろ?
「子供がひみつ道具を使ってばったばったの大活躍で人々を救う」という映画ドラえもんのフォーマットは、単なる結果としての表現型であって、それは本質じゃねえだろ?

「ひみつ道具に頼る一時の益で失敗し、挽回のために努力してそれに裏打ちされた成果を得る」がドラえもんの一貫したテーマじゃないのかい?
ひみつ道具は、即物的な利益追求の愚を示し、努力のための場を与え、成長を手助けし、喜びを分かち合うための小道具じゃないのかい?

キャラクター造形もおかしい。
ドラえもんは単に便利な道具を出してくれるだけの存在じゃないぞ。
のび太はドジで笑いもののラッキーマンじゃないぞ。
ジャイアンは単なる暴れ者じゃないぞ。
スネ夫は日和見で自分勝手な腰巾着じゃないぞ。
しずかちゃんは単なる飾りの花じゃないぞ。
それは全部結果であって、その結果につながる個性は別のところにあるんじゃないのかい?
これでは、五人が大人になった時の、成長した姿が浮かばない。単にこのまま大人になるだけとしか思えない。

ストーリーおかしい。
陰謀だ陰謀だ騒いで、その根拠皆無じゃないか。
時間配分がおかしいんだよ、地球を発つまでにどれだけ時間を使っているのか。
後半なんか、単に駆け足でイベントこなして回ってるだけじゃないか。

Stand By Meと比べて、いろんな面で格段に劣る。
道具に頼るのではなく使いこなし、子供時代と大人時代との成長が違和感なくつながり、原作エピソードを盛り込んだ構成で固めていたSBMは、まさしくドラえもんだった。

「大人が考えるいい子供」ではなく、「こう成長してほしいといういい大人像に向かって努力する子供」を描いてくれや。

星1.5の出来だが、ドラえもんの名を冠していてこれだから更に減らして星1。キャラパクリの二次創作一歩手前。

くりぽん