劇場公開日 2016年4月23日

「リアリティのなさ」アイアムアヒーロー mintoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0リアリティのなさ

2017年9月9日
iPhoneアプリから投稿

よかったところは大泉洋の演技、てっこが死ぬまでの展開、きちんとやってのけるグロ描写。
悪かったのは人間ドラマの薄さ、リアリティのなさ、ご都合展開の多さ。
特にショッピングモールでの社会がどう形成されたのかもっと描いて、世界終末のドロドロした人の醜さを感じさせて欲しかった。女はレイプされて、男は武器を守り、いくつかのリーダーが出てきて対立するはずだ。そういった人間ドラマを描いて初めてゾンビ映画としてのカタルシスがある。
会って間もないヒロミにあそこまで入れ込む根拠がないし(イヤホンのシーンでそれを作ろうとしてるなら都合が良すぎる)、ショッピングモールのリーダーはあんなにキレるやつなのに簡単にゾンビになるのは納得いかない。リーダーがゾンビになったときヤブがいつまでもジリジリしてるのと本当に冷める。命がかかってるのに戦い方に全く緊張感がない。普通は背を壁に向けて戦いたくなるもんじゃない?言い出せばキリがないがとにかくリアリティに欠ける。それゆえ乗れない。ヒロミの伏線が全く回収されないのにらズッコけた。
しかし、漫画原作の日本映画にしては踏み込んで描いていたし、表現が抑制される昨今この作品はよくやってくれたと思う。

minto