「キアヌ流武道の極意」キアヌ・リーブス ファイティング・タイガー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0キアヌ流武道の極意

2016年10月28日
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鑑賞方法:DVD/BD

単純

興奮

父親が中華系ハワイアンの為、キアヌ・リーヴスは何処となく東洋人の雰囲気を醸し出し、他のハリウッドスターと比べ、東洋色のある作品に出演する事もしばしば。
その最たるが、アクションにカンフーを取り入れた「マトリックス」だが、おそらくそれで魅了されたのか、遂にはカンフー映画で監督デビュー。

中身はカンフー映画の見よう見まねのようなB級。背後にある陰謀劇も陳腐。
なんちゃってカンフー映画…と言うだけなら容易い。
それでもいいじゃないか。
自分の好きなものを好きなように作り、ルックスだけなら王道の二枚目ハリウッドスターなのにそれに染まらず、いつだって“ぼっち・ゴーイング・マイ・ウェイ”。
何だか見てたら、童心に返って楽しんで作ったんだろうなぁ、と、微笑ましくなってきた。

しかも、「マトリックス」で自身のスタントを務めた全くの無名の青年に主演を譲り、自分は悪役。(邦題ではキアヌが主演みたいだが、実際は助演である)
人柄すら感じた。
これがトム・クルーズだったら、絶対自分が善のカッコいい主演だろうし。

同じく「マトリックス」繋がりでユエン・ウーピンがアクション監督を担当しているので、アクションの見応えは言う事ナシ。
主演タイガー・チェンのキレのある太極拳の動きが素晴らしい。
キアヌも負けじと激しいアクションを披露。

ユエン・ウーピン指導のアクション、タイガー・チェンという男と彼が繰り出す太極拳、そして熱狂的なファンである千葉真一の作品から受けた武道の真髄。
きっとキアヌはこれらを伝えたくて本作を作ったんじゃないかな、と、感じた。

近大