劇場公開日 2015年1月23日

  • 予告編を見る

「埋もれていた真実。人間の愚かさと、それを見つめる純粋な瞳。」ビッグ・アイズ 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0埋もれていた真実。人間の愚かさと、それを見つめる純粋な瞳。

2015年1月24日
PCから投稿

悲しい

知的

難しい

【賛否両論チェック】
賛:嘘や見栄といった人間の醜さが垣間見られ、改めて考えさせられる。最初は立場的に弱かった主人公が、娘を守るために自立していく様子にも勇気をもらえる。
否:実話とはいえ、終わり方には賛否両論ありそう。宗教的に意見が分かれる展開もあり。

 女性の立場がまだまだ弱い時代にあって、夫に依存するしかなかったマーガレットの複雑な想いと、やがて自分をしっかりと持って自立していく様子が、とてもたくましく描かれています。そして、そんな嘘や見栄で塗り固められた大人達の世界を、間近で黙って見てきた娘のジェーンの姿もまた、人間の哀しさを訴えかけるようで、心に刺さります。後半のウォルターの変貌ぶりは目に余るものがありますが、これもまた人間の醜さを垣間見られるような気もします。
 “本当の幸せとは・・・?”という問いかけを、絵画という具体的な表現方法を通して投げかける、そんな作品です。

映画コーディネーター・門倉カド