劇場公開日 2015年2月7日

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「曲と劇中でその使い方が良い」はじまりのうた Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0曲と劇中でその使い方が良い

2020年4月25日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

総合:75点 ( ストーリー:65点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:80点 )

 冒頭でグレタがニューヨークの小さな劇場で歌う歌は、いい曲だが単純すぎて洗練さがなかった。グレタも見た目も態度も洗練されてはいなかった。曲は素材としてはいいので編曲して質を高めればより良いものになるだろうに思ったら、劇中でもそう感じた人がいた。そうして彼女を職業的歌手として売り出そうとすることで物語は動き出す。
 音楽の業界人としても家庭人としても破綻しているダンと、異国で突然恋人と破綻したグレタの再生という人物模様も描かれる。そうはいっても物語自体はそこまで突出したものではない。しかしそこにはニューヨークの街の風景と文化が映像として取り入れられていて、その街の魅力が引き出されていた。

 作品の一番の見所は、才能はあり良い素材だけど成功するにはまだまだの水準の彼女とその曲が、編曲して楽器を追加してとするうちに徐々に良くなっていく過程だった。そして劇中で歌われる数々の曲の水準が高かった。曲が平凡だったら良い作品とは思わなかったかもしれないが、劇中の数々の曲と、その制作過程を楽しめた。音楽劇は好きではないけど、この作品の劇中歌の使い方は非常に自然で良い。この作品の劇伴音楽が欲しくなった。
 最近は編曲の力というものを時々感じている。平凡な曲が編曲次第で全く雰囲気の違う曲になったり素晴らしい名曲に化けることがあることがわかってきた。それは編曲者・音楽プロデューサーの力による。この作品はそんな一面も見せてくれた。

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Cape God