劇場公開日 2014年12月12日

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「怖すぎ。」ゴーン・ガール talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0怖すぎ。

2023年6月27日
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鑑賞方法:DVD/BD

<映画のことば>
私を破滅させ、ニックだけが幸せに?
冗談じゃない。勝ち逃げはさせない。

夫婦で年金を分割することができるようになった途端、長く定年まで会社を勤め上げ、ようやく退職金を手にすることができた、その夜に、妻から離婚を切り出されて、青天の霹靂と感じる亭主族が、世には跡を絶たないと聞き及びます。
そのいわば「アメリカ版」というのが、本作なのでしょうか。
本作の場合は、エイミーの計画の完全性・周到性というものは、彼女が「アメイジング(無欠な)エイミー」として、両親から育てられて来たこととも、無縁ではなかったように思います。評論子は。ロザムンド・パイクの迫真の演技とも相まって。

いずれにせよ、自分は充分に妻に幸せを与えていると盲信して、高を括っている世の亭主族にとっては、根底から、その心胆を寒からしめる一本になっただと思います。
(かつての評論子を含めて。)

本作を観終わったら、とりあえず何か奥様の好物でも買って、差し入れておくのが安全・得策ではないでしょうか。
まだ何とか、首の皮一枚ででも、間に合うかも知れませんから。
(奥様の好物すら心当たりがないという向きには、その時点で手の施しようもありませんので、その場合は「諦めが肝心」と開き直る以外に方法はないと思われます。)

アメリカは、ボランティア精神が社会の根底にあると聞き及びます。
(アメリカに初めて進出した日本企業は、アメリカ市民のそういうボランタリズムや、アメリカでは企業に求められるメセナ精神を最初は充分に理解できず、「アメリカはたかり社会」と思い違いをしたという話も聞きます)。
そういう意味では、SNSの普及とも相俟って、お隣・近所、あるいはテレビの前の市民一般の「思惑」というものも、彼の地(アメリカ)では、いっそう影響力が大きいのかも知れません。
(わが国でも、昨今は、そういう風潮が出来上がりつつあるのかも知れません。)
エイミーが、まんまと作戦を成功させ、ニックを追い込むことができた背景には、そんな事情もあるかも知れないと思いました。評論子は。

まんまとエイミーの手玉にとられてしまうニックや、生け贄にされてしまうデジーが哀れと言えば哀れなのですけれども。
また、流血シーンの文字どおり「血腥さ」は、デビッド・フィンチャー監督に特有なようで、本作も、その例外ではなかったように思いました。評論子は。

いずれにしても、怖いですね、怖すぎ。
変なホラー映画よりも、よっぽど「怖い」一本でした。評論子には。

(余談)
<映画のことば>
君たちほどイカれた夫婦は初めてだ。
私でも…な。

talkie