劇場公開日 2014年7月19日

「美しい背景の中で揺れ動く心を描く」思い出のマーニー Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5美しい背景の中で揺れ動く心を描く

2016年3月18日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

総合:70点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:80点|音楽:75点 )

 米林監督の前作『借りぐらしのアリエッティ』で描かれた瑞々しい演出がここでも引き継がれている。宮崎監督のような躍動感や重厚な主題や展開の大きな物語性はないが、米林監督は何気ない日常生活とその中にある揺れ動く心理を描く力が優れているようだ。すっかり自分の殻に閉じこもって世界を憎むようになった少女がしっかりと描かれていた。
 それに前作ではなかった物語性がこの作品にはある分、全体を通しての主題や流れもわかりやすくてすっきりする。映像は技術の進歩もあるのか美しくなっていて、特に北海道の少し寂しさのある落ち着いたや風景の出来が良かったし、音楽もそれに合っていた。

 気になったのは杏奈の北海道の生活で、夜遅くまでふらふらと出かけて倒れても問題にならずにいつまでも杏奈が自由なのは疑問。叔父さん叔母さんおおらかすぎる。序盤にひどいことを言った近所の女の子とその神経質そうな母親も何事もなかったかのように簡単に謝罪を受け入れすぎ。引っ越してきた眼鏡の女の子の彩香の声は見た目よりも大人びていて、とても子供らしいと思えなかった。
 それとマーニーは原作のままこの作品内でも白人なんだけど、違和感というほどでもないけれど、国際化も進んでいないこの時代ならばやはり主人公同様に日本人に設定変更したほうが自然なのではないか。何故マーニーという外国人が両親もいないままわざわざ北海道の片田舎に住んでいるのか疑問だった。

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Cape God