劇場公開日 2014年2月28日

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「いい旅はいい関係を築く」ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0いい旅はいい関係を築く

2014年8月21日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

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100万ドルに当選したというインチキ臭い手紙を信じて疑わない老いた父と、そんな父を目的地まで連れて行く事になった疎遠の息子。
1500kmにも及ぶ父子旅。

派手な要素も劇的な出来事も一切無い。
淡々とした展開で、ユーモアとペーソスと、しみじみとした感動が染み入る。
ハリウッド映画と言うより、まるで日本映画を見ているよう。
旅の途中立ち寄った懐かしの地での親戚や旧友の人間臭い描写なんて、山田洋次の映画でよく見る。
ロードムービー×人間ドラマを描かせて、アレクサンダー・ペインに並ぶ者は、今、ハリウッドでもそうは居ない。

ブルース・ダーンが俳優人生晩年になって、最高の名演!
無口で頑固者、半分ぼけているちょっとの愛らしさ、そして滲み出る哀愁…この枯れた味わいは絶品!

息子ウィル・フォーテも受け身の好演。呆れつつも常に父の傍に寄り添い、何て孝行息子!

一際印象を残すのがジューン・スキッブ。
毒舌・下ネタの老いた母だが、金の無心に来た親戚を一喝するシーンは、座布団10枚!

白黒の映像が素晴らしい。ペン画のような美しさ。
この素朴な物語に白黒の映像が見事に合い、より作品の効果を上げている。

懐かしの地で母と長男と合流。
親戚や旧友から思い出話、困った話を聞く。
良くも悪くも、ちぐはぐだった家族が一時集う。

怪我しても体調不良になっても、100万ドルに執着する父。
その理由に、不器用な父の愛を知る。

父を馬鹿にして笑う父の旧友へ息子がお見舞いした一発。
ラストの息子から父へのプレゼント。

間違いなくこの旅は、意義あるものになった。

近大