劇場公開日 2014年2月22日

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「生きることへの執念」ダラス・バイヤーズクラブ とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0生きることへの執念

2022年1月2日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

泣ける

知的

難しい

これって実話ベースってところがすごい。

マコノヒ―氏の役作りは勿論鳥肌ものだが、観ていて辛くなる。
それより、 レト氏の役作り・演技に目が釘付けになる。

実話ベースのアンチヒーローもの、HIV薬を巡る製薬会社の闇、死を見据えた人の生死観といろんな要素を含んだ話ではあるが、
人(ロン)と人(レイヨン)の関係性の変化にも胸が熱くなる。
ラスト近く、死の影に怯えるだけだった人々の笑顔に心が温かくなる。

☆ ☆ ☆

”死病”とされる病に罹患した人々の話。
 かっての結核・エイズ・癌…
 そして、罹患したら100%死ぬわけではないけれど、あっという間に亡くなられた方もいて、未だ”特効薬”というものが開発されておらず、開発に力がそそがれているコロナ…。

 生き残る術を探してあがけるのか、
 残りの時間を充実させて天寿を全うするのか、
 ただ、泣き暮らすのか。

 ”笑い”が免疫力を上げるという。
 「生きねば」という信念を持つ人は”死”に強いとも聞く。
  他にもたくさんある、健康神話。いろいろな方が、いろいろ言っている。

 治療=生き残るために、何を信じればいいのか、
 予防のために、生き方を変えられるのか。

☆ ☆ ☆

非合法の新薬。
 この映画(この実話)ではHIV患者の救世であるけれど、
  (AD/HDの治療薬として使われたリタリンも、AD/HDの薬としてははじめは未承認だったけれど、助かった子は多かった。尤も薬に依存性があって、使い方が難しかった。その後、薬が抱える依存性があまり問題にならない薬が開発されたけれど…)

 一つ間違えば、問題ある新興宗教のような団体にもなりかねないし、Newsでも取りざたされる詐欺グループとも紙一重。
   ーー「この神水を飲めば治ります」ってか?でも、藁をもつかみたい人は信じてしまう…。

 薬認可の遅さが問題になっているけど、サリドマイド・薬害エイズ等を思い浮かべれば慎重にとも願う。他にも、インフルエンザのタミフルや化粧品だとかの被害の話を思い返せば、簡単な問題ではない。
 副作用も、この映画のように毒性が強い場合をどう考えるのかはともかくとして、副作用のない薬もないであろう。
 人体実験のような、新薬のデータ集めも難しい。データが揃わなければ認可はされないし、でも犠牲者が出るのは言語道断。データの改ざんはもっともってのほか。

いいなりになるのもどうかと思うが、誰を信じればいいのか。
 ご自身の子どもが、医師から処方された薬を服用するのを拒否した製薬会社社員もいて、薬への信用を落としたが、
 新しい知識への勉強を怠っている医者や、儲け主義の医者や製薬会社もいるが、実直に”医師”として、自分の時間を削って、患者のためにと研究している医者の方が実際は多い。

 ネットで勝手に売買される薬。処方薬を自己調整してしまう人々。自己調整ならまだしも、親の薬をかってに子に与えてしまうのはいかがなものか。

 医師や製薬会社や政府を悪者にするのは簡単だけれども、それだけの問題なのか?

ロンは、自分でかき集めた薬を服用もしたけれど、HIV罹患がわかる前とその後では、生活態度を健康志向に一変させている。

薬の作用がいつごろ出るのか×症状×体調×環境…の微調整が大切と聞く。
何を信じて、何に気を付けて、何を服用しどう治療するか、難しい問題。
 (予防も大切、まずは免疫力上げるのが肝要)

☆ ☆ ☆

映画としては、最初は嗜好に合わず、レイヨンが出てきた辺りから、ロンとのやりとりとかが面白くなってきたが、
薬や医療に関しては?というところもあって、ふに落ちない感じが残り、手放しで称賛できない。

とみいじょん