劇場公開日 2013年11月23日

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「父娘テーマは永遠」もらとりあむタマ子 クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0父娘テーマは永遠

2019年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

自分にもあったモラトリアム(猶予期間)。誰にでもあるのではないだろうか。
同じ山下監督作品「苦役列車」でも感じた、人間の弱さを抉りだした、いや弱さというか脆さを晒した内容に、自分と重ね合わせ心苦しかった。ただし、タマ子と父親双方に非はあり、雰囲気もライトなコメディで観やすかった。トータル73分と短いのも良かった。

タマ子は、23歳無職実家暮らしの自分に、「出て行け」の一言が言えない父親がダメだと他人の所為。父は、大学出たのに働かず実家を出ようとしない娘がダメだと他人の所為。互いに自分は間違ってないと思っているが、そこをアドバイスする他人もいない。互いに本音で語り合えば解決する話なんだが、父と娘ってこんなにコミュニケーション難しくなるのかと将来が不安になってきた。

重いテーマにしては、タマ子と父親の関係性を滑稽に描き(就職活動かと思いきやオーディション応募とか)、数少ない脇役(しかも有名な人はほぼいない)の絶妙感が堪らなく愛おしい。写真屋の親子のソックリ感サイコー。

全編前田敦子が常に映ってますが、彼女のアイドル映画と呼ぶには至らないほどブサイクというか仏頂面なあっちゃんが常に画面にいます。かなりのモラトリアム女子を演じてます。顔が綺麗すぎるけど、こんなニートいそうです。

あっちゃんといい大島優子(紙の月)といい、元AKBの役者としてのレベルは高い気がする。

クリストフ