劇場公開日 2014年3月29日

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「ネット社会と報道を考えさせられる作品」白ゆき姫殺人事件 yamappleさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ネット社会と報道を考えさせられる作品

2016年1月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

原作を本で読んだ時、これは映像で観たいな、と思い、今回視聴。結果、映画の方がやはり面白いなという印象。
描いているのは、ネット時代の無責任なオンライン上の発言と、マスコミの取材の切り口により、罪もない主人公、城野美姫が人生を狂わせられるストーリー。
これは、現実に起きていることだし、そして改めて情報の取捨選択や客観的な視点が大事だと考えされられる内容だった。
本の中ではTwitterのつぶやきがリアルタイム感が湧きづらく、分かりにくかったけれど、映像とともに進んでいく映画だと、とてもリアル。綾野剛のダメそうな男っぷりと、井上真央の迫真の演技、そして菜々緒の嫌らしさ全開の魅力が、とても良かった。
個人的にはぜひ映画で観て欲しい内容。そして、驚くなかれ、このような無実の人への疑いは、2ちゃんなどで定常的に既に起きていることを知ってほしい。例えば先日の高槻市の殺人事件は、被害者の母親や通りすがりで2人に声をかけたおじさんまでも疑われていた。
オンラインの匿名性は素晴らしい部分もあるが、同時にこういった弊害があり、享受する側は真実を見ぬく必要があることを忘れないでほしいと、切に考えされられた。
そして、この事象に着眼した作者に拍手。

yamapple