劇場公開日 2013年3月9日

「免疫をつける」千年の愉楽 Chisaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0免疫をつける

2016年2月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

難しい

不気味。
狭くて閉ざされた村の生活。
しかも終わり方。怖っ。ホラーかこれ。

産婆のオリュウノオバの周りで生まれては死に、死んではまた生まれる「中本の血」を引く男たち。
圧倒的な美貌で村の女たちに快楽を与えながら生き、しかしその誰もが大成することなく若くして死んでいく。

なんかさ、「そのまま行ったら絶対そうなるよ」っていう結末に、なるよね。
容易に予想できるのに、それを回避するために何もしないオバとか村の人は、なんなんだろう?
堂々と不倫していればいつか刺されるさ!
薬をやりながら体を酷使していれば具合も悪くなるさ!
高貴で汚れた「中本の血」とか、先祖の祟りとかが問題なんじゃなくて、見守ること以外何もしなかったことが問題だと思うんだけど。
「オバはいつもここにおる」って感慨深い表情で言ってたけど、私はなんかそういうところがすごい不気味だと思った。

でも、きっとこの映画が言いたいのはそういう問題じゃないんだよね?←よくわかんないけどそんな気がするという27年の人生経験を元にした勘
「そのままで生きろ」って呟きながら手を合わせるオリュウノオバの切なる願いはなかなか叶わないね、っていう悲しいメッセージ?
でもオバは達男と、、、ってことは他の男たちとも関係を持っていたということなのかなぁ。
だとしたらもう本当に何もわからないわこの映画ッッッ!!!!!!

しかも高岡蒼甫の役が誰なのかわからないというミス。

彦之助(血まみれの井浦様❤️)
→半蔵(彦之助の息子、高良健吾)
→三好(誰?高岡蒼甫)
→達男(半蔵の従兄弟、染谷将太❤️)

狭い世界すぎるし井浦様出てくるの最初だけだし、ってんで途中でやめようと思ったけど、
井浦様の作品はちゃんと見る!という決意に加え「染谷将太が出てくるまで!」と思って見てたら、
なんか後半妙に入り込んで最後まで見られた。
染谷将太かわいい❤️背毛が!!光ってるぜ!!

はい。

ちなみにこの作品は若松孝二監督の遺作でした。
愛媛で撮られ、地元の人たちに先に見て欲しいという監督の希望で、愛媛で先行上映されたそうです。

若松監督の作品をそんなにいくつも見ているわけじゃないから偉そうなこと言ったらアレだけど、
「海燕ホテル・ブルー」にしても「実録・あさま山荘事件」にしてもこの作品にしても、
閉塞感がある映画を作るのが好きだったのかな?

限られた人間関係、限られたタスクだけで日常が成り立っていて、
そこにたぶん疑問もなくて(達男だけは村を出て行ったみたいだけど)、
「広い世界を見たい」と思うことすらなさそうな生活ってなんかすごい息苦しいなーと思った。

見終わってすぐ感想を書こうとすること自体が間違ってるのかも?
なんかレポート用紙とかにブレインストーミングして熟考してからまとめたほうがいいのかもね、こういう小難しい映画は。
「オール・ユー・ニード・イズ・キル」見たあとだから余計にどういうテンションで見ればいいのか混乱したのでした。
でも最後まで見られて良かった!免疫つけてかないとね。

Chisa