黒い指の男

劇場公開日:

解説

「大東京誕生 大江戸の鐘」の猪俣勝人・柴英三郎の共同脚本を、新人第一回の飯塚増一が監督、「娘の中の娘」の三村明が撮影したアクションドラマ。

1959年製作/74分/日本
原題:The Ex-Convict
劇場公開日:1959年2月11日

ストーリー

五年ぶりに娑婆の陽をあびて感慨深げに立つやくざ風の男--稲妻の新吉である。しかし帰ってみると、深見一家は既に離散し、圭造親分は殺し屋の鉄に殺害され、根城であったゴールド会館は近代的娯楽センターに変り、舎弟岩切が今や代貸となって、縄張りを握ると云う変りようであった。しかもかつて新吉を愛していた筈の親分の姉娘あつ子は岩切の囲われ者となり、ヌード写真のスタジオを経営する妹京子が新吉に五年と云う年月の生んだこの世界の移り変りをさとすのであった。表向きは岩切商事の看板を出しても、詐欺・恐喝の限りをつくす岩切の悪らつな顔役ぶりは誰知らぬ者のない程で、折しも外国人貿易商リチャードから数千万円に上る宝石を強奪する計画を立てていた岩切は、かつての兄貴分新吉の出獄にひどく狼狽した。新吉には彼の出獄を待っていた母と弟があった。貧しくとも堅気にくらす幸せな生活であった。出獄した新吉は五年ぶりに賭場に姿を現したが、少しの衰えも見せぬその腕に目をつけて、その指先の利用を企むのは岩切であった。かつての新吉の指の魔力こそは、金庫の謎を解きほぐす悪魔の指先だったのである。岩切は新吉の弟・宏をうまく話にのせ、悪事の加担とは知らず承知した宏を囮に、新吉をリチャードの宝石強奪に強制参加させた。夜更けて、ビルにしのび、守衛を倒し、悪党双方入り乱れて血みどろの闘いの後、ついに目指す金庫は新吉の指先で狂いなく開かれる。しかし一瞬新吉の手には拳銃がにぎられ、京子と救い出された宏の知らせでかけつけた警官隊に追われた岩切は死物狂いであつ子の許に逃れた。迫る新吉に拳銃のねらいをつけた岩切は背後のあつ子の手で倒れる。しかし憎しみにゆがんだ断末魔の岩切の手で、あつ子も倒れた。重なり倒れた二つの死体は群がる群衆に兇暴な顔役の末路を凄惨に伝えていた。

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