夜の牝犬

劇場公開日:

解説

「夜の悪女」でコンビの成澤昌茂がオリジナルシナリオを執筆、村山新治が監督した“夜の青春シリーズ”の第六作目。撮影もコンビの仲沢半次郎。

1966年製作/86分/日本
原題:Cheating Love
配給:東映
劇場公開日:1966年2月3日

ストーリー

庄司繁がゲイボーイを気取っているのは、やくざの組長駒崎鉄五郎が経営するバー“やそめ”のマスターに見習ってのことであった。普段女には人並以上の食指を動かす庄司繁に、料亭“いちはら”の女将市原満枝は強く魅かれていた。また駒崎の金でバー“チズ”を経営する湯浅智津子もいずれは繁と一緒になろうと目論んでいた。繁は家出娘を専門にポン引きもやり、家出娘潮田むると同棲生活をしていた。だが一石二鳥を狙う繁は、満枝の店も駒崎の遺産も手に入らず、遂に作戦を変え、智津子を利用して狂言結婚を満枝と駒崎の前で宣言した。効果は現われた満枝は繁にスポーツカーを買い与え、駒崎は智津子を籍に入れると約束した。だが形勢は逆転した。駒崎が急死したのだ。雇われマダムに落ちぶれた智津子は満枝に“やそめ”を買い取って貰って、はぶりのいい繁のところにころがりこんだ。女三人を繰らねばならなくなった繁に、智津子は手切金を要求して、別れ話をもちこんだ。喜ろこんで満枝から智津子への手切金をせしめた繁だったが、その金は、折角手に入れた“やそめ”を売ったものであると知った繁は、とにかく元も子も失したら、共倒れになる。智津子と結婚しなければと思う繁にとってむるの存在は邪魔であった。一方むるは智津子から繁を奪おうとしているのは満枝だと聞かされ、料亭“いちはら”に赴むき、満枝を刺した。むるの行為はただひたすら繁を想ってのことであった。とんだことで厄介払いした繁は、満枝とヨリが戻ることを期待して入院中の満枝に電話した。身寄りもなく淋しい満枝も、思わず繁に甘えた。繁は内心ほくそえみつつ札束の胸算用しながら、智津子を乗せて病院にむかった。だが別れ話にかっとなった智津子と争ううちハンドルをきりそこねて車は横転し、二人は即死した。満枝もむるも、何も知らない出来事であった。

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