二人だけの砦

劇場公開日:

解説

「ぶらりぶらぶら物語」の松山善三と「京化粧」の斎藤良輔と「酔っぱらい天国」の渋谷実が共同で脚本を執筆、渋谷実が監督した社会ドラマ。撮影は「愛と悲しみと」の長岡博之。

1963年製作/99分/日本
原題:The Rats among the Cats
配給:松竹
劇場公開日:1963年3月24日

ストーリー

二カ月の刑を終えて出所した関正一は、塚田組の兄貴分として顔の売れてきたところだが、今度ばかりはすっぱりヤクザの世界から足を洗おうと思うのだった。恋人の光子に子供が出来たし、薬剤師の彼女と薬局を始める予定だった。光子の兄亀夫は塚田組の幹部で、二人の結婚を反対したが、正業につこうという正一の心に惚れて許してくれた。正一と光子は、ある団地の前に薬局を開いた。ここには、団地の世話役で商店を食いものにする桜井、高利貸しの“猫婆さん”といわれるしん、妾の千枝等さまざまな人が住んでいた。光子の出産も近くなったが、商売は思うようにならなかった。いよいよ金に困った正一は、光子を連れて父親の住む故郷彦根へ無心に行った。日頃の親不孝をなじる昔気質の父も人の親、初孫にと多額の金を与えるのだった。これで関薬局は一息つき商売も順調にいくかに見えたが、正一の前科が広まって客がパッタリ来なくなった。しんの注進で噂の出所は、定価のダンピングをしたり子供に睡眠薬を売ったりしている商売仇の広田薬局だと知らされて、正一は腹立ちまぎれに広田を殴りつけた。そんな騒ぎの最中、光子は玉のような男の子を生んだ。正一は天にも昇る思いだった。ある日突然、塚田組の親分が刺殺されたから仕返しに行け、という亀夫の使いがあった。亀夫に会った正一は半殺しの目にあってもハッキリ断った。血だらけの彼を光子は何も言わずに迎えた。時も時、しんから貰った猫が赤ン坊の上にのしかかり、小さな命は昇天していった。それからの正一は狂い出し、猟銃を持って猫を追いかけまわした。陰惨な日が続いたある夜、亀夫が団地に逃げ込んで来た。彼は親分の仇までか通りすがりの少年まで射ち殺して来たのだ。桜井の部屋に逃げ込んだ亀夫は一家を監禁し、折から猫を探しまわってい正一やしんも同じ部屋に押しこめられてしまった。恐怖の一夜は明けようとしていた。正一が取りに走った金を持って亀夫は部屋を出た。その時、捜し求めていた猫を見つけて発砲した正一の銃声に張り込みの刑事たちは一斉に亀夫に襲いかかった。亀夫は死んだ。立ちつくす正一に明け方の白い光がさしてきた。

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