劇場公開日 1952年6月24日

「「片足の人の国でも探すつもり?」」河(1951) komasaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0「片足の人の国でも探すつもり?」

2024年1月18日
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観終わった後に、とても強い印象を残す作品。画作りも脚本も完成度がとても高い。

数多くいる登場人物。その中で特にジョンとメラニー、自分の居場所を見つけられない二人の対話がとても印象的。その一つひとつの言葉が、どれも胸に刺さる。

また、直接的ではないが戦争や植民地支配に対する反対の意思も感じられる。そうした様々なことを詰め込みながらも話が破綻しないのは、次世代を担う子どもたちに対する一貫した愛情がかんじられるからだろう。


この映画を観て思い起こされたのは、学生時代に暗記させられた方丈記 の第一段『ゆく河の流れは絶えずして…』だった。無常観が主題になっている訳では無いが、根底にそれを感じる。

この映画が作られたのは第二次大戦が終わり、イギリスからインドが独立した頃。西洋の思想が行き詰まる中で、東洋の思想に答えを求める流れの先駆けとも言えるのだろうか。

komasa