劇場公開日 2013年2月16日

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「映画館で、ぜひどうぞ。」王になった男 spoonさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0映画館で、ぜひどうぞ。

2013年2月21日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会、映画館

泣ける

笑える

興奮

冒頭、無音なうちにメッセージが記され、
何だ何だと読んでいたら、
清々しいオーケストラとともに、王の身支度が始まる。
格調高く高貴な気分で眺めれば、怒りの王のお出ましだ。
ここだけ画面が不安定に揺れるのは、
見る者をも緊張させ不安な気持ちに陥れる計算か。

一人二役を見事に演じ分けたイ・ビョンホン氏の表現力に舌を巻き、
映画に厚みを持たせた助演・脇役らの演技にも拍手喝采。
涙と感動だけではなく、かなり下世話な場面に爆笑したが、
リアルな歴史絵巻の一つとして、下品にならず、見事あっぱれ。

今まで時代劇といえば、和・韓共に衣装やセットが安っぽく、
バレバレなCGなどにも気持ちが削がれてしまうことが多かった。
ところが、ところが、お立会い。
衣装はもちろん、家具調度品・小物が豪華で優美きまわりない。

宮殿内外の情景が誠に美しい。
影武者があっけにとられて眺める宮殿に、
あたかも己が一緒に足を踏み入れたかのような錯覚に陥る。
鳥のさえずり、衣擦れの音、鍔迫り合い。
王朝の世界をダイナミックに味わうならば、
DVDだけでは物足りないはず。

spoon