虹色ほたる 永遠の夏休みのレビュー・感想・評価
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致死量の懐かしさを全身に浴びられる
友人からの勧めで鑑賞しました。「田舎での一夏の思い出」「ノスタルジーを感じられる」ということは聞かされていましたが、それ以外は事前知識なしで鑑賞しました。
結論、懐かしさで死にそう。致死量の懐かしさを浴びました。
とにかく田舎町の人々と自然がノスタルジーを生み出していて、非常に美しいんです。ストーリーもSF的な要素を織り交ぜつつも違和感のない青春物語になっていて良かったと思います。ただ、キャラクターは筆のような太い線で描かれているのに対して背景は非常に繊細に描かれているなど、場所によって作画が全く異なるのは強烈な違和感を感じました。また、ラストの展開も若干蛇足のように感じられ、興が削がれた気分になりました。全体的に非常に面白い作品でしたので、そこはちょっと残念でしたね。
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一年前に交通事故で父親を亡くしたユウタは、カブトムシを取るために父親と以前訪れたことがある思い出の山に来ていた。山からの帰りにゲリラ豪雨に遭ったユウタは山の斜面から足を滑らせて崖から滑落してしまう。命を落としたかと思ったユウタだったが、目を覚ますと30年前の世界にタイムスリップしていた。
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とにかく全編通して懐かしさとノスタルジーが半端ないですね。「自然豊かな夏の田舎町」ってだけで『ぼくの夏休み』的なエモーショナルがあるのに、更に30年前の世界という設定がそのエモーショナルを加速させます。
ノスタルジーを感じさせるだけではなく、意外とストーリー構成もしっかりしていて、後半で伏線が次々回収されていく展開は驚きました。しっかり練り上げられた素晴らしいストーリーです。
よくある感じでなんとな〜く展開が読めちゃったので。 多分これが良い...
よくある感じでなんとな〜く展開が読めちゃったので。
多分これが良いのかもしれないけど、絵がちょっと独特というか、繊細な感じでは無いのもあって感動が薄れた感がある。
昔の匂いを感じられるような作品
プライム・ビデオ鑑賞
夏の淡い物語。
導入がすごい力技なんですが、牧歌的な雰囲気のせいなのか許せてしまえます。
あくまで個人的にですが、作品で一番力が入っているであろう作画に最後まで慣れませんでした。主人公だけどうしても気になって気になって…。
物凄く丁寧なのはわかるんですが、一つ気になってしまうと作品とちょっと距離ができてしまうんですね。
でも二人が駆け上るシーンでタッチを変えてくるんです、ここは凄かった。
作品全体の雰囲気はとても幻想的。
しかしながらどこか「生と死」の匂いを入れているので、子どもよりむしろ大人向けなテーマなのかと思います。
大人が昔の匂いを感じられるような、そんな作品でした。
大人向けな内容。ケンゾーとの別れの場面は感動的だった。 老人は神様...
大人向けな内容。ケンゾーとの別れの場面は感動的だった。
老人は神様的な何かで主人公ユウタが溺れ死にそうになったのを助けて、一時的にタイムスリップさせた、みたいなはじまり。はっきりとした説明はない。
時間の中に組み込んだとだけ教えてもらい、手続きあるとかいろいろ言われ昭和52年ダムが出来る前の村に飛ばされる。
おばあちゃんと暮らすサエコ、隣の家のケンゾーと約一ヵ月過ごすことになる、元の時代に戻る時にはタイムスリップ前から時間が進んでいないという設定。
兄弟みたいに仲が良いと言われて怒るサエ→サエは実の兄が大好き。サエもユウタと同じくこの時代に組み込まれてた。
ユウタは元の時代に戻りたいと思っているが、サエは戻りたいと考えてはおらず、死んだ兄さんのところへ行くつもり。
サエの兄さんが死んだのはユウタの父のバイク事故に巻き込まれたから。
最後おかしいと思ったのは現代に戻って、サエコと再会する前にケンゾーにも会うが1977年の少年ケンゾーと2010年頃の小6ユウタがタイムスリップで同じ時代の夏休みを過ごしたのだから、時代戻って出会ったらケンゾー30くらい歳上のはず。それなのに同い年かちょい兄さんくらいな絵柄。
サエはタイムスリップしてるからいいけど。
王道のジュブナイル物語。
ひと夏の出会い。
ボールミーツガール。
タイムスリップ。
少年の父親からの自立(解放)。
死の匂い。
普遍的なテーマを内包した王道のジュブナイルだった。
夏休みって何で少し切ないんだろう。
必ず遠くない未来に終わるからだろうか。
それって生きものの命みたいだ。
だから楽しくてでも切ないのかな。
水面の動き。水滴の輝き。
日本人の心の原風景。
そしてホタルの光の美しいこと。
個人的にはユウタとサエちゃんの物語よりも、ユウタとケンゾウの一夏の友情がグッときたな。
餞別を贈り合う別れのシーンが良かった。
あとところどころ(風景や生きてる時間のズレとか現実に戻ったら忘れちゃうとことか)「君の名は。」に通じるものを感じた。
※本作のほうが前に公開されてるから「君の名は。」が後だけど。
そういった意味でも普遍的なテーマなんだろうね。
アニメーションは気合い入ってるのがとてもわかった。手間も製作費もかかってるんだろうなあ。
『君の名は。』のおかげで
タイムスリップを絡めた以外は典型的な夏休み少年成長物語ですが、丁寧な作りとアニメーションならではの独特の表現に感動しました。
この作品については全く知りませんでしたが、『君の名は。』パクリ疑惑の記事から興味を持ってDVDで観賞。おかげでなかなかいいものに巡り会えました。
手描き感が特徴的!主題歌はユーミン!
”ホタルはね、運命の相手を探すために光をだしているんだよ…”
30年前にタイムスリップした少年の忘れられない夏休み1ヶ月間を描いた作品。
なんといっても特徴は絵のタッチ・手描き感で1カットもCGを使ってないようです。
作品の途中でも斬新な使われ方をされている部分がありそのシーンにはちょっとドンびきするくらいビックリ!
ジャンルはタイムスリップものなのですがいろいろな要素、たとえばカントリーやレトロあり、友情あり、ほのかな恋愛もあり、ちょうど重松清さんの作品とか好きな人はおすすめなのかも…そしてはかない運命と奇跡の感動ファンタジーになっています。
とてもいい作品です。
いろんな世代の人に見てもらいたいです。
ただツボにはまるのはやっぱり35、40歳以上の大人なのかなぁと思います、それだけ主人公たちと同年代である今の子供達は豊かな自然を知らない世代になってしまっているし共感は難しいのかなぁ…
あとひとつ不満をいえばホタルの舞い飛ぶ様子、あーいう光りかたではない!という感想、あれはCGでやったほうがリアリティあったかも(笑)
主人公のユウタのとぼけた感じ、さえ子ののほほんとした感じなどもぴったりでした。
音楽は松任谷正隆さんで特にエンドロールのユーミンの曲は余韻にひたしてくれること間違いなし!
誰の心にも温かく切なく心地良い、昔懐かしい良質のアニメーション
一年前に交通事故で父親を亡くした小学6年生のユウタは、夏休み、父とよくカブトムシを捕りに行ったダムのある山奥へ。突然の豪雨に足を滑らせ、意識を失い、目覚めると、30年前にタイムスリップしていた…。
長き歴史を持つ東映アニメーションが、“あの頃”に浸らせてくれる。
大自然に囲まれた村、友情、淡い初恋、一夏の出来事…。
ベタと言ったらそれまでだが、あの山々の景色、そして物語のキーとなる蛍の群れの美しさを見よ!
誰の心にも、温かく切なく心地良く、郷愁を誘う。
本作はキャラデザインが話題。
良く言ったら素朴、悪く言ったら雑かもしれない。
だけど、その昔懐かしい画のタッチが、作品雰囲気にぴったりと合っている。
ユウタが出会った少女サエコの手を取って走るシーンは、「かぐや姫の物語」でかぐやが疾走するあの印象的なシーンを彷彿させた。
先にも述べた蛍の群れのシーンは幻想的。
リアルな画、斬新な設定、過激な描写が多い昨今のアニメーションの中で、原点回帰のような画や温かさは心に残る。
都会っ子だったユウタが大自然に触れ、友達と無邪気に遊び、かけがえのない経験になっていく。
そんな時知ったサエコの秘密。
ユウタがこの時代に来た理由とは…?
子供たちはやがて大人になる。
しかし、あの時の経験と約束は決して忘れはしない。例え時を隔てても。
今を生きる子供たちと、子供の時の心がまだ何処かにある大人たちへの物語。
アニメ好きでありながら、こんな良質のアニメーションを見逃す所だった。
いつ見てもいいが、特に夏休みに見たい作品。
自然のカブトムシや蛍、最後に見たのはいつだった事だろう?
大人の夏映画
目立った宣伝もしていなかったので気軽に見たのですが、とてもいい作品でした。
序盤はありがちな設定、独特な画風で子供向けかなと思いきや、全体像が見え始めえる頃には作品の中に引き込まれていました。
また音楽が素晴らしい出来で、独自の作風と混ざり合い、アニメ映画であることを忘れてしまうようでした。
現実とはかけ離れた部分もありますが、そんなことは関係ねぇ
さえちゃんマジ天使
独特の絵
アニメでやりたいことをやった作品なのでは。
すごく作品、という感じだった。
絵はすごく独特でしたが、全体的には面白かった。
時系列の説明が少なくわかりづらかった部分があった。
子どもにというより大人向きのアニメ。
走っていくところには賛否両論あるみたいだったけど、私はすごく好きでした。
美術館で絵画を満喫した気分だった。
ほのぼのと懐かしい
昔にタイムスリップし懐かしい田舎の風景。
特撮なしで映像も昔ながらのほのぼのとしたアニメ。
最近ほたるも見てないし、カブト虫もいなくなったな…なんて思いながら、忘れかけていた何かを思い出させてもらえました。
どこか宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のような切なさも感じた。
漫画原作の大ヒットアニメを作り続けてきた東映アニメーション。
かつては「長靴をはいたネコ」「龍の子太郎」など良質の長編アニメ映画も手がけていた。その東映アニメの30年ぶりの長編アニメ映画。
CGは一切使わず昔ながらの手描きで作り上げた本作品、社長はじめ社員スタッフの熱い想いがこもった出来映えです。
2001年の夏休み、小学六年生のユウタがカブトムシ捕りに一人で出かけたダムのある山奥で体験する不思議な出来事。
ユウタは1977年のダムの底にあった村に迷い込んで、村の少女さえ子や少年ケンゾー、おばあちゃんたちに温かく迎えられて、カブトムシ捕りやホタル狩りなど楽しい夏の一時を過ごす。しかし、この村はもうすぐダムの底に沈み、ユウタにも別れのときが来る。
一年前に父を交通事故でなくしたユウタ。カブトムシ捕りは父との果たせなかった約束であり、ホタルも父が昔見たと聞いていたもの。
村の風景が郷愁を誘い、ホタルの群舞の美しさにも心惹かれるが、彼を従兄妹として迎えてくれたさえ子への淡い恋心と悲しい真相に胸が締め付けられ、最後は涙した。原作は川口雅幸氏。どこか宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のような切なさも感じた。
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