シン・エヴァンゲリオン劇場版のレビュー・感想・評価
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10回観て感じた違和感
※貞エヴァ夏エヴァ履修済み。TV版もリアタイ世代ではないですが観てます。
アンノ監督の私小説というメタ的側面からするとハッピーエンド大円団。だと評価できます。
が、10回観てふつふつと違和感が言語化されてきました。
以下、良かった点と悪かった点。
素人の呟きですので、悪しからず。
◎良かったところ
これまでのエヴァンゲリヲン新劇場版
→綾波ボイス×エヴァ文字
いいですね。すごくエヴァっぽい気がします。エヴァ文字と綾波ボイスは良い組み合わせ。エヴァのヒロインはやはり綾波です。
レーションがしがしアスカさん
→やたらと凝った撮り方してましたね。面白かったです。が、そんなに力を入れるべきシーンなのかは非常に疑問。マリがヒロインならマリにやらせるべきだったと思います。
サクラとピンク髪の娘が銃を向ける場面
→ピンクちゃんはウザがられがちですが言ってること正論だと思います。初見でかなり印象悪かったですが、2回目、3回目と観るうちに納得しました。みんなでシンジ君ありがとう。だと内輪すぎて違和感があるのでその他の人の立場としてあの場面は良かったです。
ミサトさんが髪を下ろす場面
→ありがちな感想で申し訳ないですが、サングラスかけ始めてからTVシリーズからお馴染みのミサトお姉さんがいなくなった気がして寂しかったので最後にいつものミサトさんが見られたのは良かった。
幼少アスカの『作画』
→前後関係は不明でしたが、文句なしの可愛さでした。セカンドインパクトで常夏なのは日本だけなんですかね。
◎イマイチだったところ
音楽
→シンエヴァを観てからアニメ版や序破Qを改めて観ましたが面白すぎてびっくりしました。今作は音楽の印象が弱すぎます。ヤシマ作戦のテーマ並みの曲が欲しかった。というか越えられないなら序破やアニメ版の緊迫感のあるBGMを使って欲しかった。
第三村
→眠い長い。必要なシーンだとはわかりますが、もう少し短く出来ないものか。朝一で9回目のエヴァに行ったときあの部分は寝ました。エヴァは序破Qを軽く観たくらいの同行者と行ったときには訳分からんと言われていました。アヤナミレイ(仮称)がとても可愛いことしか伝わりません。
マリというヒロイン(?)
→ここですね。これが一番地雷でした。
メインヒロインに格上げするならにゃーにゃー言ったり趣味の分かれそうなキャラクターにせずに霧島マナくらいの設定にして欲しかった。彼女自体は嫌いではないのですが、アスカを可愛がるお姉さんのイメージが強く、彼女が姫と呼ぶアスカから主人公を取り上げてしまうのはわからんです。そもそも(新劇とは関係ないですが)貞エヴァの『夏色のエデン』の印象が強すぎて、母親世代の人をヒロインにするのはちょっと......。破ではめちゃくちゃレイがヒロインしてたのに意味不明です。「綾波ッ、来い!!!」はどこへ。マリとシンジだとお姉さん感強すぎませんかね。非オタクの友人は彼女の鼻歌とにゃーにゃーに引いてました。
ケンスケとアスカ
→この二人がくっついた/今後可能性があるとも思えるように描く必要があったかは不明です。アスカはエヴァのアイドルだったと思うのでシンジ以外ならわざわざ誰かとくっつける必要はないと思います。
神木くん
→神木くん自体は好きですが、突発的すぎて。緒方さんに最後までやって欲しかったです。
ラストシーンについて①
→碇シンジくんは28歳になっても「胸の大きい良い女」とか下品なこと言わないと思います。良い女はまだしも胸とは。あれ誰ですか?そういう意味では緒方さんの声を使わなくて良かったかもしれません。もはやマリ姐さんの求めた世界のシンジなんじゃないですかね。
ラストシーンについて②
→そもそも大人になったシンジくんが一人で駅から出て行くので良いのでは。個人的にはそれが一番良かったと思います。アンノさんと妻というメタ的解釈に行き着いてしまいますね。
One Last Kiss
→良い曲ですがBeautiful worldに比べると尖っていないというかイマイチだと思います。残酷な天使のテーゼで良くないですか。(あくまで個人の感想です。)
『なんかよくわからないけどすごいものを見たという気持ちにならない』とどこかの評論家の方が書いていた感想に同意です。私は夏エヴァで補完して終わらせようと思います。
これは平和でポップなエヴァですね。
別物として受け入れます。
アンノさんが現在幸せなのは大変いいことですし、関わってきた皆様には長年ありがとうございました。お疲れ様です。が、
妻への熱烈なラブレターにエヴァーを巻き込むのは御免こうむりたいニャ......
おさらばです。全てのエヴァンゲリオン。
サマーウォーズ???
あるきっかけで序が終わった頃から取りつかれ、破、急も封切一番で観賞した日が昨日のように思い出され、終わりを受け入れ作品に向かうまで3月かかり劇場に向かいました。
まずは、終劇に導いてくださいました皆様へ感謝します。
興行的には、前作でボロクソにされた仮称綾波が、今回は多少可愛らしいキャラに戻り少し安心。じゃなきゃ、キャラ商品売れませんよ。
しか~し!!、最後の最後で大どんでん返し。現世に戻り、最後、駅の3番ホームに入線する単行電車のCGが全てを台無しにした。単一直線移動であまりにもに甘い。NHK特番であれまで拘り見せてたのに、普通の作品にも劣るじゃん。電車も左右に揺れるし、パンタグラフも跳ねるんよ。最後の最後に手ェ抜くんじゃねーよ!
ちなみに妻のコメントは、ただ一言。サマーウォーズかよ。だって。
サマーウォーズ…確かに言われれば半分はそうかも。
スイカの苗が青々繁る、夏の思い出にリピート♪ 終劇
大作。見てよかった
良い評判を聞かなかったが、全然良かった
いい評判を聞いてなかったので、公開から時間があるときに見ようと思っていたらこんな時期に
期待もせず、せっかく前の映画まで見てきたから見ようと思ってみたら、すごかったやっぱり
戦闘シーンも葛城さんの元の髪型が見れたことも、げんどうさんも悩んでたことも
ただTV放送を見てただけだと、ここまでよかったと思わなかったと思う
オリラジあっちゃんの説明動画やら、エヴァのクイズ番組の動画、都市伝説でのシンジ役の収録エピソードだったり、
いろんなファンのひとの解説や情熱にここまで連れてきてもらった感じがする。
感謝さえしています
展開の早い戦闘シーンも、覚醒シーンも、それだけで胸をアツくさせて、気持ちを湧き踊らせるが、
それだけでなく、日々なんとなく抱えていた、誰にも言えない不安みたいなものを代わりに言ってくれて、誰もが持ってる感情なんだと気づかせてくれ、
「この世界は美しい」ということを、ストーリーやら脚本やら製図の緻密さで、ほんとにそうなのかもしれない?と思わせてくれる
虚構対現実
どれだけ庵野さんが意図したことを汲み取れているかわからないが、凝縮されたエネルギーの塊をもらった感じ
2時間半強、長いとも思ったけど、この時間でこんな気持ちになれるんだったら短いのかもしれないと思った
発案から何年もかけて、生命を賭してる感じも、説得力を持たせるというか、
こんなに長い時間をかけて、この間にも恐らく想像もできない努力や労力、充実も、色んなものを置いていってくれた感じがする
加持さんやミサトさん、ゆいげんどうさんじゃないけど
1800円も高くなかった気がする
映画館で見てなかったら後悔はしてたと思う
また見たいかと言われたら見たいが、体力的に、一人で寝っ転がって、休憩はさみながら観たい
あとは、相変わらずのわけわかんないところも、気持ち悪いのも良かった。
いつか理解したい
☆4.8くらいをつけたいです
あとは、宇多田ヒカル
今でもよく宇多田ヒカルのアルバムを聞くが、Beautiful Worldは映画と相まって、聞いていて神秘的な感じがして、日常生活においても聞き始めると気持ちが持っていかれる
ゲーム『キングダムハーツ』中の『光』もそうだったが
劇中では、現実の駅みたいなところから曲が始まり、エンドロールが終わるまで、作品の終わりの寂しさを、ネガティブなものから「この世界は美しい」っていう勇気をもらう
ほのかに力強く
最後の最後、監督の名前でエンドロールが終わるところで、ここまで、すご、と思わせられる映画は少ない気がする
言う事なし
シリーズ中最高傑作であり、良く自ら上げたハードルをこの高みで収斂出来たなと、もう人間業ではありません。星10つけたい位です。書き出したらそのノートで1年間大学で講義ができるほど多肢に渡り惜しげもなくあらゆる技術、知識、感性が放り込まれている。この作品を見て自らの人生ベスト5の映画の序列を初めて書き換えることにしました。これがすべてです。
わかる人にはわかる映画
三回見てきました
変更点や特典もふくめて満足しました
シンは見ましたが 昔の旧劇のまごころを君には 一種の芸術ともいえる映像でインパクトもありますし好きです あのラストのサードインパクトは わかる人にはわかる内容をはっきりだしてます
都市伝説やもろもろ知ってれば表現したいことはだいたいわかります
それにたいして 今回のシンは 曲もそうですし 各シーンが対比になってるところもあります
旧劇は 甘き死よ来たれ
心身は 日付のない墓標
人の死にたいして 絶望と それをうけとめる未来
りつ子さんの 銃のシーン
まごころを君にでも 最終的にシンジ君は絶望のはてに 世界をひとつに望まないでいましたが テレビシリーズでも旧劇でも 心の葛藤と成長はあったものの 今回父親をとめ 人の死を乗り越えるということをして より心の成長を描いてました
背景もいわゆる宗教や 都市伝説もからみつつ ゲンドウとのシーンは精神世界を描いてて かなり深い映画ですので 表面上だけでは見てはわからないと思います
エヴァンゲリオンは世界でも日本でしか作れない映画です
それは間違いないと思います
宗教とかで問題になりますし 繊細なメッセージはなかなか難しいですからね
現象世界でも いろんな世界の可能性を示してくれているのです
あの 第三村はすごい大切なメッセージかなと思います
さようなら、エヴァンゲリオン
シンエヴァでも2号機がぐちゃぐちゃにされてて庵野さんの性癖なんだなと思いました、アスカ可哀想で本当に可愛い。
めちゃくちゃ集中して見てたのに、最後のマリとシンジが階段を駆け上がるシーンで私だけが映画館に完全に取り残されてるような感覚になってしまい、エヴァの呪縛に取り憑かれていたのは私か…と気づいてしまった。
みんなが幸せエンドで安心もしたけどやっぱりちょっと寂しい。
エヴァシリーズの終わり
正直漫画やアニメ見ていないと、Q同様に?になる可能性があるが、エヴァファンならそれくらい見ていると思うのでめちゃくちゃいい映画だと思う。ファンは色んな考察を見たり、細かいところをなにかの伏線なのではと考えたりしていただろうけど、もう出来なくなるのは悲しい。結末も素晴らしくエヴァシリーズを上手くまとめてくれた。庵野監督と制作陣の方々ありがとう。
特別な作品
今までエヴァを見てこなかった。なぜか見なきゃなーと思いながらなかなか手を出さなかったが、amazon primeで序破Qを見てから本作をみた。やはり他のアニメとは一線を画すクオリティと仕上がりにまずは驚くし、世界観の作り込みがすごいからこそ終わった時に遠くから戻ってくる感覚があるぐらいやはり特殊で特別な作品である事は間違いない。この手の作品のマニアではないので、かなり俯瞰な感想しか持っていないが庵野監督は父親が片足を欠損していたという原体験ゆえに完璧な物よりもどこか欠けているものに魅力を感じてそれがキャラクターに反映させられているという。それゆえに愛されるキャラクターが生み出せてるものかと思うが、とにかく、シンジくんお疲れさまでした。めっちゃ大変だったね。w
Beautiful World
公開後すぐに観劇してから、ずっとレビューを書けないでいました。
考察やレビューが巷には溢れかえっていて、自分がなにを書けば良いのか
分からなくなっておりました。
そんな中、終映が迫って新バージョンが上映されるとのことで再度劇場へ。
同じ映画を2度劇場で観劇するなんて、映画館が入れ替え制になってからは初めてです。
で、です。
わたしたちはいったい何を見せられているのだろう?
2回目を見ても、そう思いました。
エヴァンゲリオンっていうロボットアニメに見せかけて
わたしたちは1人のクリエータの思い出語りなのか、自戒なのか、諦めなのか
本当のところは良く分かりませんが、とにかく庵野さんの独白を見せられたと思います。
もう完全に「庵野秀明物語」です。
TV版、旧劇、Qと
「なんで君たちは僕が意図することを理解してくれないんだ」って
想い悩んで、苦しみ抜いて、25年かかってやっと捻り出して生まれた作品を観劇したのです。
でもそこには、良いものを創りたいというクリエータの必死の気概と、その産物を享受して楽しんできた人たちの幸福感に満ち溢れた世界がただただ流れておりました。
たとえ、クリエータの自己満足と揶揄されようとも
こんなラストは望んでいないと落胆しようとも
一人の人間の創作物をこんなにも多くのひとが共感し、ときには支え、必死になって世に送り出し、それを享受している消費者が嘆いたり、称えたり、考察したり。
そしてなんといっても興行的には大成功を収めているわけで。
庵野さんにとっても、エヴァファンにとってもエヴァに係ったすべての人にとって、こんなに幸せなことはないのではないかなと思います。
この物語を紡ぐ側のみなさん、そしてそれを享受してきたみなさん、
ほんとうにほんとうにみなさま、おつかれさまでした。
わたしは、いま
#シンエヴァ薄い本
に収録されたのカットの数々で
経験したことのない幸福感で包まれています。
エヴァ大好きだったが、冷めました
ずっとエヴァが大好きで、グッズやイベントなどたくさん集めたりしてましたが
シンエヴァンゲリオンのあまりのつまらなさに一気に冷めてしまいました
序と破は最高の映画だったと思いますがQから雲行きが怪しくなり
さすが、シンはどん底に落とされました。
今まで、エヴァのファンでいさせてくれてありがとう
さよなら、全てのエヴァンゲリオン
子供の頃からずっと好きだったエヴァンゲリオン 最盛期ブームの頃に知...
子供の頃からずっと好きだったエヴァンゲリオン
最盛期ブームの頃に知り共に育ち子供から大人になった自分が見たからこそ
共感できる部分が沢山ある
コロナ禍の今ですが人生で1番映画館に足を運んだ映画です。
×エヴァだからすごい ○すごい映画だからすごい
エヴァと言えば難解なことをこねくりまわして言わねば……というような流れが年月を経てユーザーの間で勝手にできてしまっていたが、本作はその必要が全然ない。かといって全編が説明的であるかというとそうではなく、
・難解な内容を説明しきった作品、ではない
・そもそも描かれていることがシンプルな作品、である
そして
・そのシンプルさは、人間の根底に響くどこまでも深い「王道」の良さである
という完成を果たしている。
シンジという1人で世界の命運を背負わされた少年に、シンジになれなかったただの大人達になった元少年少女たちが温かく接して、シンジは少年から青年へと成長し、成長を止めてしまった父と父の用意したエヴァを超えて、自分の世界の一歩を踏み出す。
遠い過去にエヴァンゲリオンを視聴し、シンジ=世界の命運を握る力を与えられ、悩むことを許された中学生に憧れた少年少女であった私たちは、彼のような世界の中心にいる存在にはなれないまま、その後の混沌とした十数年・二十年をなんだかんだ生き延びて、すっかりおっさんおばさんになってしまった。というか、もがいていたら、なれた。いろいろあったけど、本質はほぼ変わらないまま、ちゃんと生きてる。その凡なる私たち(はっきり言ってケンスケ)が、特殊な力など持たずともシンジを助けて結末を見届ける構図は、「さよなら、全てのエヴァンゲリオン」にあまりにもふさわしい筋立てだ。
かつて「特別な少年」で、憧れや嫉妬の象徴であったシンジが、今や応援の対象になっている。
そしてエヴァは性能的には盛りに盛って凶悪化しているのに、画面の隅で子供のケンカのような戦いをしている程度に封じ込められていく。書き割り、撮影現場。「作られたもの」だった。憧れ求めていた力がちっぽけだったと私たちが俯瞰したそのとき、シンジもまたエヴァの力ではなく自身の言葉で父を理解して、父とは違う一歩を踏み出す。倒す、というよりは独立する。
言ってしまえば「少年少女の独り立ち」という実にジブリ的な脚本なのだが、冒頭の引きや演出などエンタメ的な配慮、最新技術も駆使してどこまでも貪欲に追求された映像表現など、
・「非常によくある強い脚本を」
・「今の人間の限界でつきつめてみたらどんな作品になるか」
・「それも、エヴァの終わりということで」
という、天才たちの挑戦ここに極まれりという内容になっている。
3時間という尺があるが、夢中になっているうちにあっという間に終わってしまった。エヴァQは個人的に「最低」とすら思える出来だったが、エヴァQが前編でシンエヴァが後編として一気見すれば、普通に良作以上に思えてしまいそう。
ここまでシンプルな「映画力」で勝負してくる、最高点を打ち出すとは全く思っていなかったので、大満足な結果となった。「エヴァだからすごい」ではなくて「すごい映画だからすごい」。王道脚本の手堅さは当然として、それを他を突き放すレベルの映像で表現しきっているのだから、進歩を止めず一段階も二段階も上を達成した製作チームに拍手を送りたい。声優たちも歴戦となったプロ中のプロばかりで、一切の妥協無し。プロフェッショナルたちが挑む世界観を完璧に表現してくれている。
「手堅い脚本」「声は話題性起用」「いつもの絵」で「これがアニメ映画だよ」としていた人たちが、一番焦っているように思う。とくに声優たちの一切の妥協がない(ゆえに話題性もない)座組については、作り手として格の違いを見せつけられたと言われても仕方がない。完全に軸をかぶらせて前ではなく上に行ったので、これはこれでシンジのゲンドウに対する決別というか独立なのか。まあそんなことはさておき、この映画は面白く、素晴らしかった。
新劇場版は、4作を通して大傑作となった。
シンエヴァは優しい作品
本作品は都合3回観に行きましたが、全然飽きが来ません。
何故か?それは本作品が優しい作品に仕上がっているからだと思います。
前作のQを観た後、直ぐには感想が出て来なかったのを覚えていますが、本作品で好きなシーンは?と聞かれたら、沢山挙げる事が出来ます。
その中で一番好きなシーンは、第三村で綾波そっくりさんが、人間的になって行くところです。
考えたら、また観に行きたくなって来ました。
気持ちよい!
本作は2回観ました。最初はシン・エヴァ序から予習した上で鑑賞し、序からの伏線とQの謎解明まで一連の物語として清々しくまとまった、良作の感想でした。
その後、改めてTV版から旧劇場版を見直し、2回目を観た時、庵野監督の描きたかった内容と旧版で出来なかった事がシンで出来上がったことが理解できたような気がして、ものすごく感動してしまいました。
特に旧劇場版ではアスカから気持ち悪いと言われ、子供のまま終わったシンジが、シン版ではアスカを救えるくらい大人になった、その過程とラストが心地よく、実は母にずっと守られていた核心の部分は涙ものでした。
TV版から25年余り、一つの大きな物語が補完され、監督、声優、スタッフ全てにおめでとうと言いたい感じです。
シリーズの完結編としてだけでなく、単体の作品としても素晴らしい一作。
これまで「エヴァンゲリオン」については、アニメシリーズをほとんど観ていなくて、本作の予習のために一応「新劇場版」を観た程度の前知識しかない観客による感想です。そのため以下でも、本作が全ての謎や伏線を回収したかどうかなど、詳細な考察や解説は一切できないのですが、そんな「にわか」の観客でも十分に感動する内容だった、ということは書き残しておきたいと思います。
「にわか」どころ、「新劇場版」三作に対して、「何だかなー」と感じる程度の思い入れしかなかったので、結末でここまで心揺さぶられるとは自分自身でも驚きでした。「新劇場版」では難解な用語と設定に振り回された上、庵野監督が「理解できない観客は付いてこなくていい」というメッセージを放っているような気がしていたんですが、本作は明らかに姿勢が違いました。相変わらず謎の設定や用語は頻出したものの、根気よくかみ砕いて何とかその意図を観客に伝えようとしているかのようでした。微細な部分にまでほとんど偏執的に拘った描写は健在なんですが、それが単にすごいとか、自己満足とかいう段階を超えて、アニメの作品と現実世界の観客とを隔てる境界線をおぼろにするような役割を果たしているような気がしました。
庵野監督のインタビューをいくつか読むと、結構制作時の自分の悩みを率直にその時々のアニメシリーズや映画作品に反映させてきたとのこと。だからシンジの言動はほぼそのまま庵野監督自身だったわけで、それが時間を経て、監督もいつしかゲンドウと同じような立場、年齢となっていた。これまでの葛藤、そして周囲の人々の力添えがあって、ついに本作においてシンジであったかつての自分に向き合うことができたんだろうな、と感じました。
一人の才能溢れる表現者がかつての自分自身と対話し、新たな世界を開く様を具体的な映像として見せてくれるという点で、本作はとても希有で、観る価値の十分ある作品でした。
全て含めて現実の世界
序盤
当たり前のことが幸せ。
って思わせたいのか?と
農作業や自然、人の温かさなど
日常のありきたりなことを繰り返す演出に、
エヴァとしてみると、ガッカリだった。
また心を閉じるシンジにも腹が立ってくる。
が、やっぱりこれでは終わらない。
心を開き出し、幸せを感じ始めると変化が訪れてくる。
シンジの心が開き、父と向き合っていく
成長を感じる。
それぞれのキャラの気持ちが吐露されていくことで、
最期感が炸裂
撮影スタジオの背景になると
現実感に戻され、
アニメと現実との葛藤の中の様に感じる。
NHKの庵野さんのドキュメントを観た後だったからか、
これが庵野さんの思いの様に感じる
エンディングでは
アニメの前の線画
現実と2次元と3次元が混じり合うよな印象だった。
なんとなく
清々しいというか、爽快というか
もどかしさを残しながらも
達成感を感じた。
マジで終わらせた…
これが終わった直後の素直な感想。
それは段々と喪失感に変わり自分の中で2度目のエヴァの終わりがズンと押し寄せてきました。
あれだけ『本当に終わるのかよ?w』『結局また続くでしょ』なんて言っていたのにも関わらずに。
Qから数年の間ネット上には色々な考察や憶測が広がり、ファンの中には僕も含め色々な人が自分の中の理想のシンエヴァ像を作り上げてたのじゃないかと思う。
結果、自分が観たかったエヴァではなかったが素直に面白かった。素晴らしかった。
庵野監督自身の投影とも取れる内容で庵野監督がエヴァンゲリオンと言う作品とガチガチに向き合った渾身の1作だと感じた。
本編冒頭のパリのシーンは既に公開されていましたが、エヴァに関しては本当に本編に入ってるかも怪しい所でしたが公式通りの始まり。
そして歩く3人のパイロット。
シンエヴァはQではなく旧の続きになるかもしれないなんて考察されてた方が居ましたがガチガチにQの続編です。
本当に安心した。
Qで撒いた謎や伏線の回収はやって貰わないと観てるこっちは堪りませんからね笑
意外だったのはここから。
殺伐としたQとは少し雰囲気が違い、第三村の生活を割と長い時間を使い描かれてます。
お馴染みのトウジやケンスケ、ヒカリなど28歳になったメンバーはそれぞれの幸せを見つけ暮らしています。
『そっくりさん』と言われる綾波の初期ロットの感情を学ぶ一連の流れや、鬱モードだったシンジの立ち直りをちゃんと描いてくれており和やかな雰囲気。
Qを観た後の人間からすればある程度いろんな意味で覚悟して観てると思うので拍子抜けしたと言うか、観ていて安心した。
ただ、ネット上でも一部ファンが怒っている部分『アスカとケンスケの関係』もここでぶっ込んで来ました。
正直あの状態のシンジに裸のアスカが隠す素振りもせずケンスケと話をする様子を見せるのはまさに地獄。まさかとは思ったが内心『マジか…』と、、
結構な叩かれ方をしていますが僕個人としてはこれまでアニメシリーズからアスカは報われておらず悲惨な運命ばっかりで、流石に観ているこっちも滅入ります。
相手がケンスケだろうとアスカ個人の幸せが叶うのであればそれで良いんじゃないでしょうか?
ヴンダーによる回収からは話が一変。
対ネルフに話はシフト、一気にラストに向け突っ走ります。
今作は前作Qと違い庵野らしからぬ説明及び回収して行くのが『ああ、マジで終わらせるつもりだな』と。
個人的にミサトさんとの和解がグッと来た部分でもあります。
帽子とグラサンを取り髪を下ろしたあの姿には胸が熱くなりました。
終盤一気にバトルパートがQのCGバトルを彷彿とさせ何が起きているか分かりづらい辛いパートが少しあります。
ここでぶっ込んで来た、アスカの使徒化。
驚いたのはアスカが『式波シリーズ』と呼ばれるクローンだった事。たまげました。
『ゲンドウの狙いは使徒化したアスカ』
出ました『ゼーレのシナリオ通り』発動。
冬月は溶け、ゲンドウは人間を辞め最終決戦へ。オリジナルを思わせるようなシンジの精神世界の描写。例の電車!
子供の頃嫌いだったシーンです。
ここで碇ゲンドウがよく喋る。
何故か痛い程気持ちが分かってしまい少しうるっと来た。
ユイに会いたい。只それだけの為に他人を犠牲にし世界を犠牲にする。
誰よりも人間臭かったのはゲンドウ。
13号機と初号機のバトルは正直意味を持たず少しガッカリ。ここを予告に使うのはズルい気もした。
終盤はメンタル覚醒したシンジによる主要キャラの魂の救済。良い演出だった。
浜辺のアスカに違和感を抱いたがアレは旧劇のアスカなのか両方なのか。
アニメシリーズや旧劇の画像を差し込んでくる辺りやはりシンジは全記憶を見たのか。
変にループしたり前後したりしなくて良かった。
最後は新劇最大の謎人物『マリ』
ユダでありマグダラのマリア。
やはりゲンドウの同期でした。
が、何よりもこのシンエヴァでは大活躍。
マリのシーンはかなり多かったと思います。破で2号機に乗った時点でマリはアスカの替わりになるキャラかも知れないと思ってたが、やっぱりそうなのかな?
とにかく8号機共に大活躍です。1番エヴァやってた。
正直ポッと出の陽キャが主人公とくっ付けばそりゃ批判もくるでしょうね。まともに接点も無いままでしたし。
ただ個人的にマリの様なタイプは好きなので僕の中ではアリです。
乳のでかい陽気なオネェさんなんて羨ましい。
正直言って期待はしていませんでした。
が、庵野監督はちゃんとエンタメを意識した上でアンサーを出し終わらせてくれた。
少なくとも僕はそう受けました。
個人的には最高とまでは言いませんが一つの形の終わりを劇場で観れたことに感謝です。
文句言ったり叩いたりもするけど、それも含めエヴァらしいと言うか。
結局エヴァが好きなんだなと自覚しました。
あと、宇多田ヒカルは素晴らしい。
もう一度観に行きます。
鑑賞者への想いやりに満ちた傑作
20年という歳月の中で、エヴァンゲリオンという作品に触れ、そこに依存の様なネガティブなもの含め、様々な思い入れを持つ人たちのために、エヴァンゲリオンが前向きな方向に開けながら終わり、乗り越えるよう導く、慈愛に満ちた作品だった。
主な依存の対象となる、ひとりひとりのキャラクターについて、丁寧に蟠りをほどき、説明し、流れるべき方向へ解決させていく。
特に、碇ゲンドウについてのパートにおいて、シンジとの関係性の整理に至った事で、このエヴァシリーズにおける完全な物語的帰結に至ったと個人的に思う。アニメシリーズ当時10代だった自分たちは、大人になり、親になった。当時、恐れ、理解不能、克服不能の象徴的存在であったゲンドウが、今作において、今、図らずも父となった自分が、子との関係性に迷い不安を持つひとりの親として、男として共感の念を抱いたのに、自らに驚いた。
世界設定に関しても合理的な展開、結末を見せつつ、同時にそれが虚構であるという事についてもキャラクターに言及させている。それは本作が虚構のアニメ作品であるという2重構造と取りつつ、観客に対してある意味で、ややこしい、そして面白い、世界設定を詳細に理解出来なくても、あなたはこの物語を消化出来ますよ、と投げかけてくる様である。だって虚構だから面白いんだから。
終盤にかけての、アニメのリアリティにメタ的な揺さぶりをかける映像表現的な実験には、単なる技術的な挑戦ではない、本作のメッセージ性と連動した意味付けがなされ、前向きなラストへむけた「気付き」を観客に促している。
基本的に、庵野秀明監督が訴えている事はアニメシリーズの時から一貫して変わっていない。今作もある意味同じ事を言っている。しかし、それを伝える為の方法が優しく、慈愛に満ちたものになっている。監督自身にとってのこの20年の歳月や出会いも影響しているのだろうか。スタッフを含め多くの制作に関わる人たちの優しさが本作から感じられた。
ありがとう、さようなら。エヴァンゲリオン。
全1009件中、161~180件目を表示