劇場公開日 2012年7月7日

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「絵は綺麗だが、物語は暗い」グスコーブドリの伝記 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0絵は綺麗だが、物語は暗い

2012年7月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

寝られる

冷害による飢饉で、父に続いて母も家を出ていき、妹が連れ去られてひとりぼっちになってしまうブドリ。
そのブドリが時折り迷い込む不思議な世界と現実の狭間で生命の神秘が蠢く。

常にブドリには温かい手が差し伸べられるが、ブドリと山師の赤ひげによる農作業の光景が、唯一、楽しく明るい。

全篇、色使いが綺麗な絵で描かれるが、後半、街を飛び交う乗り物のCGの質感がほかの手描きの絵に馴染まない。寂れた森と文化の進んだ街の差を出すために、わざとそうしたのだろうか? そうだとしても、ギラギラしすぎて背景から完全に浮いた感じは違和感がある。

物語の方はというと、再びやってくる冷害を、ブドリが命を賭して防ぐ覚悟を決めるのだが、どうも話が抽象的で得心がいかない。
ブドリの行動に共感できるだけのプロセスが希薄で、そのうえ具体的なアクションもない。
こういう描写も有りだろうが性に合わない。
それに、この子(ブドリ)は『はい』しか言わない。
物分かりがいいのか、主張がないのか。
もっと前向きで明るい猫の物語がいい。

マスター@だんだん