劇場公開日 2013年1月12日

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「ヒヤヒヤしてイライラして、ももいろに昇華」ももいろそらを バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ヒヤヒヤしてイライラして、ももいろに昇華

2021年6月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

シネクイントさんの企画で鑑賞です、気になっちゃって。
小林監督作品は初めてです。オリジナルのモノクロ版の
方を鑑賞。やっぱ、原点を観ないと・・・・ってことで。

10代女子の友達関係ってこんな感じなのか?
なんかイライラするなぁ・・・な序盤の展開だったんですが
(いや・・・この三人の友達関係が最後まで嫌い
・・・いやしっくりこなかった)話が転がっていくほどに、
ストーリーにはしっくりとハマってくるんですよね。
まぁ、今の10代のことを古の10代の僕が想像できる
わけがないのですが(笑)でも、かなりリアルなのでは
ないでしょうか?会話が普段着っぽくて。
演者さんがすごいのか?いやぁ脚本かなー?。
このやりとりを考えられるって、それだけですごいなぁ。

女友達、恋愛、社会への鬱憤、同性愛・・・
というなんともまぁ社会派っぽいテーマを扱いつつ、
展開していく中身が、財布を拾う、新聞記事の採点が趣味
やばいバイト、新聞を作る・・・というなんの接点も見出せ
ないような要素で描くって・・・このストーリーは文字に
するとなんとも突拍子もない、狙っている感たっぷりな印象
なんですが、ちゃんとしている。。。
いや、エンタメ的要素もあり、エピソードがしっかり
帰着方向に向かって走るストーリー作りが
秀逸だなぁと感心です。

グダグダ書きましたが、、、
いや、おもしろかったんですよね、これが。

本作の肝はなんといってもイズミの心情。
イズミの心がドラマになっているんだと思います。
この友達仲間三人は思春期真っ只中の女子の
象徴三人なんでしょうね。一人では描ききれないから
三人のキャラクターに分担させている感じ。
で、ちょっとだけど、ほんのちょっとだけど成長っぽい
姿を見せてくれるのはイズミ。
なんか突っ走るし、簡単に負けるし、喜怒哀楽激しいし
なんか乙女心みたいのも芽生えてるし。
青春してるなぁって。イズミなら友達になれそうだなぁ。
一番素直なんだろうなぁ。彼女観てるだけで面白いです。

それと全編モノクロってのも良いですね。
きっとラストシーンのためかな?って。

カラー版では印象変わるのかなぁ?
何はともあれ小林監督の作品、
たくさん観たくなりました。

バリカタ