「結構好きな自分が怖い」運命の元カレ alalaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5結構好きな自分が怖い

2022年12月31日
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鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

そしてこんな下品で低俗な台詞飛び交うアメリカンコメディでちょっと泣いた自分も怖い。
結婚式って何であんなに泣けるんですかね。年?

原題は"What's Your Number?"なんですが、直訳すると「あなたの番号は何?」なので、ややもすると「お前は(こいつの)何人目の恋人だ?」みたいな意味に思えてしまうんですが。「あなたの元恋人は何人?」って意味になるんですかね。
そもそも「何人?」と訊くほどの数いるのが驚き。モテない人間にはわからん。

あらすじ:
主人公のアリーは妹の結婚式を前に、恋人だと思っていた男にはセフレだと言われ、仕事はクビになり、母親には「妹の結婚式に恋人を連れてくるように」と圧をかけられ、散々な日々。たまたま読んだ雑誌に載っていた「20人以上と性交渉をした女性はほぼ結婚できない」という記事を読み、このままでは仕事も失い結婚の可能性すら無くなるのでは…と愕然とする。性交渉をした人数は現在19人。どうにか元カレの中から結婚できそうな人を探し出し、20人になる前に結婚すると決めたアリーは、アパートの向かいの部屋に住む、生粋のプレイボーイで露出癖のあるコリンと契約を結び、元カレの情報を集めてもらうことに。警察の息子で、子供の頃から父親を真似ていたので街の人々の情報を集めるのが得意だと言うコリンだったが…

まああらすじ読んだら大体想像つく流れとオチです。し、ほとんどフェラがどーとか手コキがどーとかセフレが玉が〜とか抜かしてるバカ共の話なので、頭空っぽにして見るのが正解。

主人公が馬鹿で我儘でどーしようもないと低評価してる人もいるけど、コメディだからかなり誇張してはいるものの、でも現実ってこうでしょう。
誰かが言った「こうあるべき」に振り回されて、自分を偽り、頑張って背伸びしてみたもののしっくりこないで自分はダメなんだーと騒いで、誰かに慰められてまた前を向く。
結局、自分が強く自分自身であろうと決めない限り、他人の意見に振り回されて自分の軸なんかすぐブレブレになる。いつの時代も、男も女も、若いうちはこんなもんでしょう。
アリーは支えてくれる仲間や家族があるだけマシで、現実これより酷い人は沢山いる気がするし。どこかの時点で大馬鹿やって学習するか、「私、オレ、そんな自分勝手で惨めなことしませーん」と失敗を恐れて、学習すらできずにつまらない人生にするか。
結局どこかの段階で馬鹿なことやって、勝手だなーと思われてた人の方が、最終的には自分というものがわかって、良い人生歩んでたりして。まあ、馬鹿やり続けて勝手なまま学習せずに終わる人もいるだろうけど。
あんなおバカなアリーが何故成長できたかというと、裸一貫でぶち当たっていく行動力があったから。あそこまでできませんよね、普通。ていうかしようとも思わないし。

コリンが何でアリーにそこまで惚れたのかはよくわからず、アメリカ映画にありがちな「とりあえず女と男が側にいたら恋愛感情芽生えるアレ」なんでしょうが、ストーリーといいキャラクターといい、既に『キャプテン・アメリカ』で知名度上げてたクリス・エヴァンスがよくこんな役引き受けたなと思うくらいには、特にパッとしない役。何となくキャプテンよりこっちの方が素っぽい気もしますが。下品でも違和感ないから多分素。
この頃から、キャプテン・アメリカのイメージ一辺倒の俳優にはなりたくないと思っていて、敢えて受けたのかもしれません。

2011年の作品なので、価値観はやや古いかと思わなくもないですが、今でもやはり親から結婚をせっつかれたり、友達が次々と結婚して意味もなく焦っている人はいるのでは。特に女性は多いと聞きますが、どこの国でも同じなんですかね。
結婚したい相手がいるわけでもないのに周りからアレコレ言われたり、「30までには…」とかいう社会の謎ルールから何となく焦っているだけの独身者には刺さるかも。相手を外見や収入、地位でジャッジしがちな人、若い頃遊びまくってた人はモロなのでは。
逆に、恋愛において外見で価値を決められがちな若すぎる人や、貞操観念が強すぎる人には全く刺さらないと思います。それこそアリーのわがまま自業自得に見えるだけかなと。

コメディらしくテンポは良いのでサクッと見られますし、下品だけど基本ほぼ全てが馬鹿と馬鹿が馬鹿やってるだけの話なので、頭使わなくていいのでいつ見ても良いと思います。あまりにも下品なので家族とはやめといた方が良いとは思いますが。子供は論外。
そんなに低評価するほどではないですが、高評価するほどの内容でもないので、映画.comの評価の通り☆3〜3.5ぎ妥当かなと思いますというかこの系統の内容で☆4以上いったとしたら流石にちょっと監督が天才すぎて怖い。

しかしこういうの見ると、結局いくら賢くなっても最終的に必要なのは当たって砕けろ精神という根性論に戻ってくるのかなあ、と思うと暑苦しくてやだわー(泣いた奴の言い草)。

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alala