劇場公開日 2012年11月17日

「2回見た後での感想」ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q BlstMasterさんの映画レビュー(感想・評価)

3.52回見た後での感想

2012年11月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

これから見に行く人も多いと思うが、まず、見る観客側に対して特に序盤は、状況の把握を能動的に求められる映画だと感じる。今までの展開から、ある程度の状況の予測を観客側で(補完)しないと、進行するストーリーにおいていかれてしまうし、描写自体に対する的確な理解ができないと感じる。

個人的には、製作側の意図(視点の絞込みと一貫性を重視した展開)は理解できるが、製作側の理解している背景や状況全体が、映画にいきなり入り込んだ観客のもつそれと、かなりギャップができているし、おそらく製作側の意図に深く入りすぎて、観客側の視点、立場や理解の速度に対するバランスが、見る側にかなりの作業を要すると思われる。

自分は2度目にはかなりスムーズに入れたが、そういった楽しみ方をできない観客にとっては消化不良になりかねず、作品自体の質や製作側の高い目標はかなり先鋭的でユニークなものがあるものの、この作品に初見で響く観客の数を限定してしまう可能性を感じる。

ある程度の情報をもう少し早い段階で提示して、観客をもうすこし助けながらも、製作側の意図を実現する表現方法がありえなかったのか、疑問が残ることが、やや低い評価の根拠である。

また、人物間のドラマが集中する印象があり、幅が狭いと感じた。これは視点や一貫性との兼ね合いがあるものと推察されるし、またやりすぎは、ストーリーにノイズを増やすものであるが、もう少しスパイスがあったほうが、全体としての味が深みが増すのではないかと個人的に感じた。

その一方、前2作からの転換点としてのQというコンセプトとストーリーの方向性には興味が尽きない。周到な計算をうかがわせるが、完結作を待たないと本当の真価は見えてこない気がする。新たな要素も多く出ているが、いずれもかなり映画全体の中でデザインされていることが、注意深くみると伺える。製作側がいかに力を入れたかが感じられる。

結論としては、製作側のユニークで斬新な力の入れ方が現れた作品だが、それが一方、作品の提示方法としては、見る側に対応を求められる形となっており、前2作よりも観客を選ぶ性質の作品となっている。未補完の第3作、急展開のQ、これからも乞うご期待、といったところか。ファンなら2度見れば、理解が改善するだろう。

BlstMaster
つる姫さんのコメント
2012年11月26日

私もそう思います…
もう一回観なければ…
何がどうなって、居たのか・・・

近々もう一度・・。・ヾ(´∀`A"

つる姫