劇場公開日 2012年9月8日

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「高麗屋の、お譲さんは、やはり、ただ者ではありませんでした。」夢売るふたり 小林壱岐守則定さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5高麗屋の、お譲さんは、やはり、ただ者ではありませんでした。

2012年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

松たか子さんと寺島しのぶさんは、どうしても比べられますが、たまたま、出演する作品が違うだけで、高麗屋さんのお譲さんとと音羽屋さんのお嬢さんとの実力の違いはないと感じました。
もう、公開して2か月くらいたっていると思いますが、有楽町の映画館は満席でした。
まず、脚本が秀逸。それこそ、冒頭の火事さえなければ、仲の良い夫婦が切り盛りして繁盛する小料理屋の話で終わるのでしょうが、極限まで追い詰めれた時には、奥さん(松たか子)=女性のほうが肝が据わるという、よく、有りがちな話ですが、それだけでは終わりません。
そこは、阿部サダヲ、松たか子の役者上手な登場人物。
一筋縄では行きません。最後まで、一気に、観ました。
「小さな幸せ」を守ることが、どれだけ、他人に迷惑を掛けて、涙を流し、血を流すかという、人間の業を見せつけられた作品でした。
高麗屋さん(松たか子)は、『告白』から、完全に、音羽屋さん(寺島しのぶ)に並んだと思います。
本作の続編は、ないでしょうが、北陸の港町で、つつましく、暮らしていく二人の将来を予想しながら、劇場を出ました。
今年の邦画の「当たり」のひとつです。

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小林壱岐守則定