劇場公開日 2012年2月4日

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「ちょっとボケ味」人生はビギナーズ マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ちょっとボケ味

2012年2月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

幸せ

ガンの宣告、ゲイの告白、オリヴァーとアナの運命的な出会いと別れ、父の余生の生き方というのが物語のポイントだが、予告篇やHPなどから得られる【あらすじ】と本篇では、その時系列が大きく異なる。
そのためもあって、父親によるゲイの告白が、予告篇で見るほどインパクトを発しない。
アンとの出会いと別れは、父親の最後の生き様と同時進行ではなく、オリヴァーが生き方を見つめなおす過程が、物語のプロットのラインにすっきり乗り切らない。
編集で過去と現在を行き来しつつ、大筋では同じ事を伝えようとしているのだが、全体にボケ味になってしまった。やはり、がんの宣告、衝撃の告白、戸惑いの中での出会い、破局と父の生き様という順序の方がしっくりくる。または、編集でそう見せることもできたはずだがキレが悪い。ボケ味の原因は編集とも言える。

出演者は文句なし。
ユアン・マクレガーは、どこか優雅で物腰が柔らかく、声を張り上げないゆったりした喋りで品がある。父親のように思い切った行動をとれず、母親との思い出に浸る、38歳にしてナイーブな男を上手く表現している。
クリストファー・プラマーは、自分に素直に生きることの喜びを表現し、老齢ながらも色気を発する演技はさすがだ。
メラニー・ロランは、正体が謎の登場から、自分の居るべき場所を求める姿まで、不思議な魅力を振り撒く。いま、ノリにノッてる女優のひとりだ。
オリヴァーの少年時代に出てくる母親役のメアリー・ペイジ・ケラーも魅力的。満たされない心のはけ口を求める少し奇妙な行動が、やがてオリヴァーの人間形成に影響を与えていく。

そして雑種犬のコスモの絡みが楽しい。愛犬アーサーは、オリヴァーにとってたった一人の家族。鳴かれると心配でたまらず、鳴かないと忘れられたようで哀しい。まるで自由奔放に生きた父親の呪縛から逃れられず、あがいているようだ。

マスター@だんだん