劇場公開日 2011年7月23日

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「円谷英二だって大ダコからゴジラだけど…」モンスターズ 地球外生命体 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0円谷英二だって大ダコからゴジラだけど…

2022年1月17日
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鑑賞方法:DVD/BD

単純

寝られる

ギャレス・エドワーズが『GODZILLA』の監督に抜擢されるきっかけとなった2010年の作品。
…を、今更ながら初鑑賞。
無名の新人監督が世界に名を轟かす怪獣王を手掛けるという、まさに夢!
それを成し遂げた自身の演出が冴えたモンスター・パニック!
…を、見た筈なんだけど…。

地球外生命体のサンプルを採取したNASAの探査機が大気圏突入時、メキシコ上空で大破。“モンスター”は繁殖し、メキシコは封鎖され…。
B級チックながら、悪くはないSF設定。
メキシコでスクープを狙うカメラマンは上司から、社長令嬢をアメリカ国境まで送り届けろと命じられ…。
話もまあ悪くない。
ここからハラハラスリリングな襲撃と旅が始まる!…と思いきや、

え~…
多くのレビュアーさんが言っておられるように、そんな感じです…。
モンスターが蔓延る世界のロードムービー。せめて言うなら、ドキュメンタリータッチのサスペンス・ドラマ。
モンスターの襲撃を喰らったメキシコや人々の姿、主演二人を延々見せるだけ。
モンスターの気配は感じさせるけど、がっつりとは全くと言っていいほど登場せず。せめて言うなら、最後にちょこっと、ちょこっ~とだけ。
やっと全貌を見せたと思ったモンスターも、まさかの陸上を歩く“ビッグ・オクトパス”!
そして、終始何の盛り上がりもなく、終わりも呆気なく。
って言うかこれ、モンスター映画なの…?
って言うかそもそも、面白かったかと問われたら…。

『GODZILLA』や『ローグ・ワン』を見た後だと、なるほどのギャレス映画。つまり、
シリアス。ロースタート。見せ場はラスト。ちょい見せ。出し惜しみ。
ギャレスのリアリティーのある演出は見事。
大物監督たちや批評家からは絶賛。
作り手側からすれば、超低予算で凝った作り、見せ方が好評を博したのだろう。
批評家側からすれば、それに加え、まるで今のアメリカ/メキシコ国境間を見せられている社会的なメッセージも好評を博したのだろう。
でもねぇ…

我々一般側は、もっと単純でもいいから、ハラハラスリリングで、迫力や見せ場があって、モンスターが出る“モンスター映画”が見たかった。
超低予算に無理承知で言うけれど。

この時、誰が後にこの監督が怪獣王を手掛けると思っただろう。
まだ怪獣王(ゴジラ)への程遠い道。
でも、これを見て抜擢したんだから、レジェンダリーは目利き…?

近大