劇場公開日 2011年11月5日

「原作どおりに作っていれば・・・」カイジ2 人生奪回ゲーム gsacraさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5原作どおりに作っていれば・・・

2011年11月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

強烈な原作の実写化に果敢に挑んだ、という一点において評価すべき本作。
あのパチンコ台をよく再現しましたね~。素晴らしい!

この一点以外は、正直原作に対してぼろ負けの状態です。
演技?マンガ原作ということを馬鹿にしていませんか?大げさに演じれば良いというものではないのですよ。
ストーリー?原作はギリギリの極限状態に追い込まれるからこそ、カイジの見せる人情とか人間味が良くも悪くも際立っていいたのです。原作に無い吉高由里子のキャラやら、香川照之のキャラやら出して浪花節的なカラーを加えようとしたことで余分な脂肪がたっぷりとまぶされてしまいました

また、地下の仲間のためにカイジは奮闘するわけですが、冒頭のあれっぽっちの展開で、あれほどの仲間意識を持てるカイジ君は正直人間としてキケンなくらい寂しがりなんだろうと思いました。地獄チンチロと、パチンコだけに焦点を絞ったほうがよっぽど良い出来が期待できたと感じます。余計な創作は自殺行為、という典型例ですね。

不満は最後の小ネタにも。ラストにカイジがまた嵌められるところ。原作は「ずるいけど、うまいな~、コイツ」と思わせる展開でしたが、映画版はただ騙しただけ、窃盗といっても良いでしょう。知的工夫が足り無すぎです。あんなに頭悪い人だったんだーとの認識が残りました。

製作陣、反省してください。

gsacra