劇場公開日 2011年2月11日

あしたのジョーのレビュー・感想・評価

全49件中、21~40件目を表示

3.5重かった呪縛

2012年5月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

原作大好き、アニメは全話録画して繰り返し見て、この映画もエキストラ5回参加。ものすごい楽しみに初日映画館、雪の日に行った。
けどなんか冷めた自分がいたなぁ。
とりあえず、監督のこだわりが前面に出てた気がする。原作をリスペクトするというより、オリジナルな部分を重要視した感じ。試合シーンなんか凄く凝った仕上がり。
でもねぇ、やっぱジョーや力石を演じられる俳優はいないよ。撮影現場を目の前で見たから、山Pや伊勢谷がどれだけがんばってたか知ってる。
だからボクシング映画としては一級品だけど、あしたのジョー実写版としてはどうしてもイマイチなんだな。
特に音楽。アニメでは1でも2でも素晴らしい音楽がいくつか使われてたけど、本作ではなぜかエンディングが宇多田ヒカル(笑)
だったらラストで山Pに「♪男なら~」って歌わせりゃよかったのにね。
あらゆる意味で物足りない出来。やはりあしたのジョーの呪縛は思ったより重かった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ジョン

4.0良く出来ている、監督も俳優も。だが・・・

2011年11月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

興奮

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
としぱぱ

3.5女にだって、拳(こぶし)はあるのよ

2011年11月21日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
shimo

4.0VFXが良かった

2011年10月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

興奮

 今日もDVDを視聴してのレビュー

最近のアニメから映画化という酷評されがちなパターンだけに期待していなかったのですが、なかなか見応えありました!自分は30代半ばの為、あしたのジョーはリアルタイム世代ではありませんので、多少甘めの評価になるかと思いますがあしからずm(_ _)m

 この映画のストーリーはいわずもがななので割愛するとして、試合シーンやケンカするところはカメラを手持ちに切り替え臨場感を出し、決定打のシーンはVFXを使って効果的な演出は良かったです。

 あとセットも見事で細かいところまで雰囲気が出てました!東芝が山下智久のスポンサーだけに、東芝のブラウン管テレビが出てくる辺りは家電ファンにはウケました!

 ふと思ったのですが、あしたのジョーに似たカテゴリーとして、タイガーマスクが映画化されるのではないかと思ったりします。ちょっと前に伊達直人ブームがあったじゃないですか?日本人ってブームに弱いからなぁ…っていうか、もうブームは終わってましたねヾ(-д-;)

オススメ度は★★★★☆ 4つ

コメントする (0件)
共感した! 0件)
水田 裕二

3.5他の漫画原作の映画とは本気度が違う

2011年9月24日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

漫画の映画化である。
しかも、圧倒的に有名過ぎる作品の。
大コケすると思っていたが…

熱烈なファンの方々には不満足かもしれないが、そんなに悪くはなかったと感じた。(ちなみに僕もオリジナルは見ている)

そう感じさせたのは、本気度だと思う。

山下智久と伊勢谷友介のガチンコ対決シーンは見入ってしまうし、その為に鍛え上げた両者の体は同性でも惚れ惚れするほど。

また、丹下段平に成りきった香川照之の本気度もプラス。

多少、ストーリーのメリハリの弱さや、山下ジョーのオリジナルとの雰囲気の違いさ等もあるが、続編の製作には反対しない。
どうせなら、ジョーが真っ白に燃え尽きるまで見てみたい。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
近大

4.5演技を超えた神々しさすら感じさせる肉体

2011年9月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

原作未読。
テレビアニメも未鑑賞。

山Pと伊勢谷さんが、猛トレーニングで
ウェイトを極限まで、絞りこんだこと。

香川さん、30年来もボクシングの虜になっており、
自分の演技に徹するだけではなく、ボクシングシーンでは、
実際に演技指導をしたこと。

昭和のドヤ街は、CGではなく、
実際にオープンセットをつくり、
これには原作者のちばてつやさんも感激されていたこと。

こんな状態で上映開始を待ちました
(期待のハードルは結構高かったです)。

★彡     ★彡

美術さんと
撮影監督さんには、
星5個では足りないな(拍手)
初めて伊勢谷さんを心の底から
カッコいいと思ったよ。どっちが
主役なんだかわかんなかったな(大拍手)

上映終了後、
座席で小さく拍手をしたのち、
(舞台挨拶付きなら絶対大拍手してた!
 立ち上がる人がいたら一緒にスタンディングオベーションしてた!!)
撮影監督の実績を知りたくて、パンフ売場へ直行。見本を手に取り、
他のページはすっ飛ばして、スタッフのページへ。

『ICHI』(08)を撮影していた方で、
それ以外は、映画に関する実績はあまりないようでした。

事前に知っていたオープンセット。
試合中のカメラの動かし方。

この2点に痺れてしまいまして、
映画スタッフのこだわりと熱意に感激してしまいました。

◇   ◇

ボクシングシーン。
お二人の演技を超えた
神々しさすら覚える肉体だけでなく、
ボクシングも真剣勝負そのものに見えました。

あれ、絶対本気で殴り合っていますよね
(実際、そうらしい)。己の肉体を駆使して、
役に真正面から向きあう真摯な姿勢。

映画館の背もたれつきの椅子で見るのが
なんだか申し訳ない。思わず正座をして、
拝みながら見てしまいたくなる、それほどの、
役者魂が衝撃として私の魂をも、お二人のパンチが天に突き上げてしまったのでした。

もう、最後の直接対決のシーンは、
劇中の女の子役の姿ではありませんが、
眼を覆って見ていられないほど。ゴングが
鳴ったその瞬間に、涙でスクリーンがぼやけてしまいました。

外に出てから帰る途中にも、
自然にシャドーボクシングを、
してみたりして、完全に映画の
世界に浸りきったまま帰路につきました。

その瞬間、それまで降っていた雪が上がる。
なんだか、奇跡づいた作品となってしまったのでした(笑顔)

◇   ◇

と、5点点で終わらせようか
とも思ったのですが、もったいなさを感じたことを3点。

①時代考証、こだわりぬいていたのに、
 ボクシング会場の通路だけが平成仕様だった。
②刑務所の中と、外に出てからのボクシングシーン。
 周りのお客様の演技。刑務所の中のプロの役者、外に
 出てからの素人のエキストラ、演技力の差が歴然と、
 し過ぎ。一瞬、興ざめしかける場面あり。
③ラストシーン。
 ○年を感じなかった山Pの芝居。
 己の状況を感じさせてくれた伊勢谷さんの芝居。
 ここは役者の力量の差か、監督の演出の妥協か、
どちらかわかりかねますが、最後の最後になるだけに、
キッチリと締めてもらいたかったです。人としての厚みを感じさせて欲しかったな。

★彡     ★彡

「超よかったんだけど!」

うしろの席にいた、若い男の子の声。
最後に細かいことを書きましたが、私も一緒です!

夕陽の使い分けなんていった、
演出もあって、それもなかなかよかったです!!

今作キッカケに
ボクシング人口+ボクシングファン増えるんじゃないかな(笑顔)

コメントする (0件)
共感した! 1件)
septaka

3.0普通...。

2011年8月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
goku

1.5金かけてドヤ街出来ました

2011年8月13日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
しんざん

3.5昭和の香り

2011年5月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

なにもかもが足りなくて、誰もかれもが一生懸命だった時代。
そんな時代設定だけで自分は興味を持ってしまう。
もちろんアニメでどっぷり見ていたので、すごっくしっかり作られていたと思います。
やっぱりハングリー精神は貧しさからしか生まれないのではないでしょうか?

残念なのは、リアリティーに欠けるCGの街並みと
ジョーの話し方(アニメでのあの声がやっぱりジョーです)
で、白木嬢役の香里奈?

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ripc02

4.0名言の宝庫 もはやネタばれと言えないような

2011年3月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

これだけ有名で、未だファンの多い漫画の映画化。
映像化には本当に苦労されたと思います。
過去にアニメを再放送、再々放送で見ていた者としては、所々に繰り出される台詞に鳥肌物でした。
これだけ有名な台詞の宝庫であれば、耳に覚えのある台詞ばかり。
何を書いてもネタばれにはならないのでは?って思えるほどです。(笑)

さすがにアニメを見ていた頃は子供だったので、少々記憶が薄れている所もあり、今回の映画を観てストーリーが「あぁ~こんなだったかなぁ~」って思う部分は有りました。
でもしっかり体を作ってきた山下氏、その主役を喰って充分存在感を出していた伊勢谷氏、両氏の肉体、眼力、映像の迫力を観て終始シビレまくりっす。
両者のリング上での殴り合いのシーン、本当に気合が伝わって来てシビレます。
他にも減量後の力石の計量シーンでは、映画館内でも「おぉ~・・・・」と声が出るくらいの迫力でした。
伊勢谷氏は、この役(力石)を日本中のどれだけの俳優が演じたいと思っているかと自分に言い聞かせ、苦しい減量を行ったとか。
涙物です。

これだけ良かった映画ですが、あえて難点をあげれば、ドヤ街の子供達が貧しく見えなかった事くらい。(苦笑)
あ、最後になりましたが、忘れてならない丹下のおっちゃん役の香川氏。
本当に最高です。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
くろすけ

5.0女性サイドの「急いで!」という「せかし」の理由

2011年3月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

興奮

昭和40年代の東京の下町とは驚き
もっと前かなと思った。
夕日が丘があったから

でも、全体的に説明不足だと思えた部分は、
オーナー・サイドの女性の「急いで開発と、男性味を削ろう」という姿勢の理由が見えなかった。

喧嘩を どうにか話し合いにしようというプロセスがまったくない! そこが出来ないので苦労してる、民族間闘争。違う種類の脳と質を理解しあおうというもの。

伊沢八郎を思い出した。蜂の武蔵は死んだのさ の内田さんも。

大和魂の、自分の(村の)価値観と、趣味思考を狭く深く、同時に、時間と四季の流れに沿った 心の安定を守る鋭さがあった。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ばかたれ

4.0香川さんの台詞に…!

2011年2月25日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

単純

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
LilbBambi

2.5「あした」って何時代だっけ?

2011年2月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
こばこぶせん

3.0う〜ん、何だろう…

2011年2月23日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

何て言えばいいんでしょうか…役者達はきっちり役作りをしてるし、監督も原作を再現しようと頑張ってはいるけど、一言で言うと感動が無い。

何でだろう…と考えてみました。

役者は身体はしっかりつくっていたけど、身体だけというか、人間的な奥深さが感じられない。ジョーと力石を演じる為に一生懸命頑張りましたみたいのが、やっぱり透けて見えてしまう。泪橋しかり、すべてがセットにしか見えない。

結論、漫画を映像化するのはやめた方がいいと思う。

これだけの事が出来る、監督役者なら、オリジナルで勝負してください!

コメントする (0件)
共感した! 1件)
キーチ

4.5あしたの筋肉。

2011年2月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

単純

興奮

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 2件)
ハチコ

3.5予想以上にキチンと出来上がったボクシング映画

2011年2月21日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
全竜

4.5伊勢谷友介さん、香川照之さん、スゴイ!

2011年2月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

有名な漫画「あしたのジョー」の実写映画化。
ジョーに山下君。
ふ~ん、どんなのになるのだろう?!と、期待半分、不安半分でした。

でも、良かった!!
山下君、バッチリだと思います。
が、難を言えば、もっと悪童であっても良かったのでは。
これは、脚本の問題でしょうか?
2時間くらいに納めなくてはならないことを思うと、仕方ないかな。

山P以上に、バッチリだったのが、伊勢谷友介さんと香川照之さん。

もう、伊勢谷友介さんの力石は、彼以外に考えられないほど。
あの目。あの視線。あのオーラ。
スゴイです。

過酷な減量ををされたようですね。
まるで、「マシニスト」のクリスチャン・ベールみたい。
それでも、筋肉は落ちず。

香川照之さんの段平さんもばっちり。
メイクのため、少し喋りにくそうだったけれど、なんのその。
ボクシングが大好きと仰るだけあって、見事でした。

バラックの建物や美術も良かった。
ちょい出の俳優さんに、ボクシング関係の濱田さんなど、見逃しては損。

CGもおもしろく見られます。
打たれると顔があんなふうになるのね~、という表情がよく作られていた。

自分を必死にさせるライバルに出会えるなんて、とても素敵なことですね。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
りりー

4.5うまくまとめた

2011年2月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

興奮

スポーツ物はそれらしく見せるのがキモ。
とくにボクシングは減量で絞り切った生身の体を見せなければいけない。
主人公二人ともボクサー体型になっていた。
伊勢谷=力石はリーチの長さまでバッチリ。
ストーリーも少年院での豚走事件やマンモス西のエピソードなどをきって、
矢吹と力石にフォーカスをしぼりこんでうまくまとめていた。
力石が減量中のシャドーでなにげにアッパーを練習していたのは、
矢吹との対戦の伏線になっていてよかった。
力石が過酷な減量中、水を求めてさまようシーンでは、水道から落ちる水の滴をいれてほしかった。原作では力石が滴の音で惑わされると、おぼろげに記憶している。
矢吹はケンカボクシングだから相手に打たれて、自分の打ち込む間合いを把握する。だけどあんなに打たれたらパンチドランカーになって、たこレ~ス(たこ八郎のギャグ)になっちゃう。
パンチで顔がゆがむシーンはCGでちょいオーバーになっていたが、
実際の試合をスローでみてもほぼあんな感じだから映画ではちょうどいいかも。
ラストで矢吹が力石のアッパーでぶっ飛ぶシーンは原作通り、と思う。
監督もあれが完璧と考えたのだろう。実写でみてもやはり完璧だ。
エンドロールで後ろの女性(20才位)が「良かった」とささやいた。
おれも「良かった」とささやいた。心の中で。
アドレナリンが出まくっていたおかげで映画を観た後のジムのランニングが楽だった。
映画の力はアドレナ(あなどれな)い。(ジョー小泉的タジャレ)

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ace

4.0伊勢谷友介だけで“もと”がとれます!!

2011年2月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

みなさんの評価通り、
原作に敬意と愛情が感じられる映画になっていました。

期待でがっかりしないよう思いつつ、
伊勢谷友介を観たくて行ったのですが、力石・期待以上でした。

ぜひ伊勢谷“力石”は、テレビサイズでなく、劇場で味わって欲しいです!!

山P・香川照之も頑張ってた感、十分伝わりましたが、
欲を言えば
香川照之は、少々若さを感じさせられてしまうし
山Pはきれい過ぎて、もう少し影が欲しい。
でも、十分及第点だとは思います。

何より、私が時々世界感にはまれなくなりそうになった原因
香里奈のセリフ回し。
滑舌は悪い上、しゃべってます感ありありで

最後も台無し・・・否めず。
脇が豪華だから、メイン女優もう少し考えて欲しかった。

コメントする 1件)
共感した! 0件)
たむさん

5.0マンガ原作映画の最高傑作

2011年2月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

あまりに強烈な映画だった。これまでに、これほどの完成度のマンガ原作映画があったであろうか?私の知る限り、『ピンポン』が最高傑作。あとに続くのは『海猿』?『三丁目の夕日』?そんなところか。最悪なものはいくらでも出てくる。『カムイ外伝』、『デビルマン』、そして『ヤマト』である。ところがである。この『あしたのジョー』は明らかに『ピンポン』を超えている。つまり現時点でマンガ原作映画の頂点に立った。

この事実に気がついている人が果たしてどれだけいるだろうか?よく考えてみればわかる。他にどの映画がこの映画より完成度が高いというのだろうか?つまりマンガ原作映画の現時点での頂点を既に鑑賞された皆さんは目撃したことになる。もちろん反論や異論も多々あろう。『ピンポン』が公開されたときも原作ファンの一部は大荒れに荒れた。ここのレビューにもいるヒステリックな原作ファンが総攻撃した。そしてそのあまりに先鋭的な映画表現にプロや評論家たちの賛否も別れた。あの井筒監督などはテレビ番組で、これは映画とは言えないと言い切ったのである。他の映画監督もかなり動揺し、認めないという人々が多くいた。ところがである。『ピンポン』は多くのネガティブファンや保守的なプロたちの叩きを跳ね返し、今世紀を代表する映画として国内外で広く認知されている。カンヌ映画祭でグランプリを獲ったチェン・カイコーは21世紀の映画だ、と絶賛し、リュック・ベッソンも大のお気に入りだという記事を読んだ。

もう『ピンポン』を超えるマンガ原作映画は出現しないだろうと思っていた。しかし、遂にここに出現したのである。『あしたのジョー』、それは映画としての完成度では『ピンポン』を超えてしまった。それも同じ監督、曽利文彦の手によって。

『あしたのジョー』もまた一部の原作ファンや、この映画の存在を恐れる業界人に大ブーイングを食らっている。でも何を言おうが、どうあってもこの映画の完成度は最後には認めざるを得なくなる。

『ピンポン』もそうだったが、『あしたのジョー』も先を行き過ぎている映画かも知れない。わかる人にはその凄さが敏感に伝わるのだが、鈍い人にはいつまでも伝わらない。井筒監督が全否定した映画が、映画史に残る名作となったように、『あしたのジョー』もまた、その有名過ぎる原作を持ったがゆえに当分は一部の人々に標的とされるであろう。

例えば過去に撮影された日本映画のボクシングシーンで『あしたのジョー』を上回るものがあったであろうか?『どついたるねん』『キッズリターン』『ボックス!』どれもこの映画の前にはまったく無策のドキュメンタリー映画のように見える。比較するとなると、ハリウッド映画を持ち出すしかなくなる。しかしハリウッド映画を持ち出したところで、この稀な試合シーンの表現力と比較する対象がない。つまりハリウッドの物まねではなく、ハリウッドが物まねしたくなる映画になっている。

歴史の渦中にいるときは、そのとき起こっていることが客観的に把握できないものである。この映画が正当な評価を受けるのは随分後になってからかも知れない。後々、やっぱり大スクリーンで見るべきであったと後悔する人々が多発することになるかも知れない。そのとき初めてこの貴重な体験を誇りに思うだろう。俺は映画館で『あしたのジョー』を観た!と。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
javoon