劇場公開日 2010年8月28日

  • 予告編を見る

「☆☆☆★★ ※ 鑑賞直後のメモから 冒頭と最後に、次男坊であるレイ...」トイレット 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0☆☆☆★★ ※ 鑑賞直後のメモから 冒頭と最後に、次男坊であるレイ...

2020年1月1日
iPhoneアプリから投稿

☆☆☆★★

※ 鑑賞直後のメモから

冒頭と最後に、次男坊であるレイのナレーションと。彼の目線から語られる話なのが解る。
途中で妹のエピソードや、ひきこもっていた兄が、意を決して外に出るエピソードも或るので、一瞬は違和感を感じるものの。それ程には逸脱しない為に、大きな問題とは言えないと思う。

監督自身が。『かもめ食堂』の時に、来日したスエーデンスタッフの、日本のホテルのトイレ事情に驚いた…とゆうエピソードを。どうにか映画に出来ないか!…と思ってのが製作のきっかけと語る。
そんな日本の最新テクノロジーは。主人公であるレイの、ロボットオタク心と対比させ。スエーデン繋がりは、妹のエアギター好きに関連付ける。

まるで怪物の様な登場の仕方をするもたいまさこ。
この〝ばーちゃん〟と3人が、心を触れ合うきっかけとなるのが、昔はどの家庭にも必ず1台はあった家庭用ミシン。この設定はなかなか巧い。

ただ、そのミシンを使おうとする人物の、過去の辛い話等は。限られた台詞の情報だけを観客に提示する。
それだけに、観客側は何となくその〝匂い〟らしきもので想像する他はない。

映画はかなりの部分で、固定カメラによる画面構成されており。出演者達はその空間を行き来する事となり、まるでサイレント映画の様な趣きを持つ。勿論、現代の作品なので。カメラは時折ゆっくりとパンするのだが。終盤に於いて長男が、過去のトラウマを振り払う決心を固めた時に。初めてと言ってよい程に、カメラは大きなアクションを起こす。

この3人兄弟には、それぞれのの心の中に闇を抱えている。長男は過去の出来事を。
妹は詩を書く事での空想から〝本当の自分探し〟をしている。エアギターはそんな自分を解放する心の支えでもある。
主人公のレイは、1番冷静に見えても自分の中にあるオタク観を他人に感じさせない様に絶えず振る舞っている。おそらくは、心の中のどこかに恥ずかしさがあるのかも知れない。

初めてウォシュレットを体験した時の衝撃を、強調する為に。トイレに餃子にミシンにエアギター。
これらのパーツを若干強引に詰め合わせている感はなきにしもあらずか?
サチ・パーカーとの触れ合い。アグニと妹はその後どうなったのか?そしてその後の自分は?等。回収されずに終わるところもあり、その辺りはちょっと残念に感じる。

もたいまさこの演技はまさに怪演。
唯一発する台詞に関して言えば。 観ている、「その相手じゃないんだよなあ〜!」…って思うところはありますが。
しかし、我々日本人には馴染みの深い彼女の演技。彼女の傍らに猫が居るだけでついつい嬉しくなってしまう。
そして、海外の人達が観たならば。「一体、コイツは何者だ〜!」と思うのじゃないだろうか?
特に絶賛したいのは煙草を吸う場面。
かのグレタ・ガルボを彷彿とさせるその貫禄に乾杯だ!

2010年9月1日 新宿ピカデリー/スクリーン5

コメントする
松井の天井直撃ホームラン