ソーシャル・ネットワークのレビュー・感想・評価
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何がいいたいのか?
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フェイスブックを共に立ち上げた主人公ともう一人。
主人公はナブスターの元経営者と組み、大きな資金を得る。
代わりにもう一人とは疎遠になっていく。
もう一人は感情に任せてしょーもない事をした事がきっかけで、
完全に会社から干されて株式比率も下げられ、訴訟を起こす。
結局主人公らは負ける。
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うーん、何が言いたいのかわからんかった。
それともただ事実を伝えているだけの映画なのか?
ソーシャルとはなにか
ボーイズクラブというかホモソーシャル的なものへの嫉妬と憧れから生まれたネットワーク故に、排他的排除的な組織となっていくのは必然か。そもそも、社会というものがそういう性質を帯びているとも言える。創造主はその本質からどうやっても被造物とは同一の地平には立てない。
アンダーグラウンド化される欲求/欲望という意味では、『ファイト・クラブ』撮ったらこれも撮るよね。
取り繕った末に……という点では、『ター/TAR』とも通ずるか。
脚本がいい。
Facebookはuserでありながら自分も嫌いだが、fact重視しない映画作りには賛成出来ない。ただ創業者像等、興味深い映画ではあった。
デビッド・フィンチャー監督による 2010年製作(120分)のアメリカ映画。
原題:The Social Network、配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
フェイスブックが卑しい企業で、ザッカーバーグはとんでもなく嫌な奴と言いたい気も良く分かる気はするが、ボストン大女子学生エリカに振られた腹いせでファイスブックの元となるサイトを作ったというこの映画のストーリーは、どうやら出鱈目らしい。ザッカーバーグはフェイスブック立ち上げ時には、今の妻と既に恋愛関係だったとか。モデル的な設定なら納得だが、実名出しての映画だけに、factを重視しない姿勢にかなり腹ただしく感じてしまった。
とは言え、ジェシー・アイゼンバーグの演技は、冷徹だが天才的で努力を厭わず、創業事業に狂信的で、ショーン・パーカーの言葉には素直に従うIT創業者としての存在感を十分に表出していた。
ザッカーバーグをアイデア盗用と訴えるハーバード大ボート部ウィンクルボス兄弟が、親の力で面会した学長に諭されるシーンが印象的であった。世代を跨いだエリートで、その生き方を何処か馬鹿にした様な描かれる方とも感じた。
ジャスティン・ティンバーレイク演ずるショーン・パーカーの人物像も、興味深かった。残念ながらこちらも、事実とは異るキャラクター設定の様であるが、Facebookの初代CEO(25歳)であり株式会社としての組織構築には貢献し、麻薬保持疑惑で会社を追い出されたのは事実の様。ザッカーバーグ以上に彼には興味を覚えた。
パーカーが、共同創業者エドゥアルド・サベリン(アンドリュー・ガーフィールド)の有する株式の希薄化を仕掛けたと暗示されていたが、実際に訴訟がなされており、なかなか興味深かった。一種の騙し討ちだが、契約は存在し、会社の独裁者はこうやって権力を強化するのかと。
監督デビッド・フィンチャー、製作スコット・ルーディン 、デイナ・ブルネッティ、 マイケル・デ・ルカ、 シーン・チャフィン、製作総指揮ケビン・スペイシー、原作ベン・メズリック、脚本アーロン・ソーキン、撮影ジェフ・クローネンウェス、美術ドナルド・グレアム・バート、衣装ジャクリーン・ウェスト、編集アンガス・ウォール カーク・バクスター、音楽
トレント・レズナー 、アティカス・ロス。
出演
ジェシー・アイゼンバーグマーク・ザッカーバーグ、アンドリュー・ガーフィールドエドゥアルド・サベリン、ジャスティン・ティンバーレイクショーン・パーカー、アーミー・ハマーキェメロン&タイラー・ウィンクルボス、マックス・ミンゲラディビヤ・ナレンドラ、ジョセフ・マッゼロダスティン・モスコヴィッツ、ルーニー・マーラエリカ。
特に面白くなかった
現実には世界を牛耳るほどの成功を収めた企業を取り上げているが
そうなれた理由や運営哲学にも、その成功の規模にも、シリコンバレーの名だたる起業家たちとの絡みもさして触れることなく
いかにザッカーバーグがやっかいな人物であるかと
それがゆえに創業期に起きた周囲とのトラブルにクローズアップした作品。
それならば個々の価値観の差など、いくらでも掘りようがあったと思うが
ただのやっかいな人物と、周囲のフツーな人たちの軋轢が
超絶フツーに描かれていて、仮に娯楽作品として捉えたとしても
何故絶賛されているのかちょっとわからなかった。
配役の妙
役者の個性が配役にぴったりハマっていることがこの作品全体の完成度を底上げしている。どの映画でもとにかく早口でお馴染みのジェシー・アイゼンバーグはその早口さが天才独特の奇妙さを体現している。
しかし、配役において特にハマっていると感じたのはアンドリュー・ガーフィールドだ。
自身がFacebook創業者の一員であるというプライドと、Facebookでより多くの金を生み出したいという野心があるにも関わらず、ことごとく空回る。さらにショーン・パーカーという天才に横入りされた焦りと悲壮感を表現できるのは彼しかいないと思わされた。
最後のザッカーバーグが元カノのFacebookにフレンド申請を送っているシーンと、ショーン・パーカーが学生の時に思いを寄せていた女性の事を思い出すことはないと言ったシーンとの対比は笑えた。
徹底的にショーンを嫌な天才。ザッカーバーグを憎めない天才として区別している。大成功を収めても過去を気にする、可愛らしい一面を残していた。
マーク・ザッカーバーグの世界観に引き込まれる!
おもしろかった!あっという間に2時間が過ぎ、
最後も「え!これで終わり!?」と思ってしまう程。
けっこう事実とは誇張されているみたいですが、
マーク・ザッカーバーグの早口でまくしたてる所は見ていておもしろかった。
主人公はマーク・ザッカーバーグなのに、
周り人たちの方が感情を露わにしている所が印象的でした。
物語の最初から最後まで、別れた元カノを想っている姿が切なかったです。
最後のシーンはフェイスブックCEOではなく、
ただのマーク・ザッカーバーグでしたね。
ジェシー・アイゼンバーグの繊細な演技に魅せられる✨
マーク・ザッカーバーグを演じたジェシー・アイゼンバーグの繊細な表情や仕草に魅了。
元財務長官の肩書を持つハーバード大学学長ローレンス・サマーズ(ダグラス・アーバンスキ)への直訴シーン、ニューヨークでのショーン・パーカーと会合シーンが秀逸。
Facebookに全く興味はありませんが、何処に勝機を見出すか、その手腕に見入ってしまいました。
テンポの良い選曲もいい。
冒頭では、かなりの変わり者に思えたマーク・ザッカーバーグが、真っ直ぐで嘘の無い魅力的な人物だと思えてきました。
見応えのある作品でした。
「想像力を活かせ」
「創造に価値がある」
日テレを録画にて鑑賞
SNSの外側にいる生みの親を描いた、見事な青春映画
彼女に振られた腹いせと、エリートを見返したいという劣等感からFacebookは生まれた。
世界最年少の億万長者は、抑揚のないボカロのような話し方をする変人で、歯に衣きせぬ物言いで人を白けさせ、元カノへの未練を断ち切れない孤独な男。
数ある訴訟騒ぎは、他人へ心を砕くほどのキャパシティーがなさ過ぎて、結果的に裏切ることになってしまっただけ。社会の抱く、若くして成功者という虚像とはかけ離れ、実像は不器用で寂しい青年だった…。
……という描き方をされているが、あくまでこれはフィクション。
ザッカーバーグ本人からすれば、世の羨望から目がそらされて、いいことずくめか。
フィンチャー監督は、若者の孤独感を見事に描いている。
文武両道のリア充を妬んでいるにも関わらず、それを餌にして女性もつるというねじれた承認欲求、自分の生み出したSNSへの興奮がネットという世界で奔流していくにも関わらず、本人がその流れの外にいる対比などが、素晴らしい。
元々のアイデアを他人から盗み、それを開き直って「おまえに具現化できる技術と知性があるのか?」と言い放ち、「やったもん勝ち」の理論で突っ走る幼稚さと傲慢さも青臭く、生々しい。
この生々しさがフィクションということを忘れさせる。
そしてそれは、まだ世間に責任を負う年齢ではないからこそ許される雰囲気もある。
ラスト、元カノのFacebookを何度も更新する演出まで憎いほど完璧な、まさに青春映画。
ちなみにナップスターCEO、ショーン・パーカー役にジャスティン・ティンバーレーク。
このサービスに多少は犠牲を強いられてきた側のミュージシャンを充てるあたり、憎いキャスティング。
Facebookを複数形にするな、そして広告は入れるなという助言がクール。
今のタイミングで観ておくべき映画
デヴィッド・フィンチャー監督作品。
日本でも去年2010年末頃からブームの兆しが見え始めているSNSサイト「Facebook」の創設者、マーク・ザッカーバーグが主人公。いかにFacebookが生まれたか、最近Facebookをよく使うようになった自分としては、かなり興味があったので、公開日に観に行った。
Facebookは、現在会員数が209カ国でなんと「5億人」!!!!
これはSNSとしては恐るべき数字。1つの国と考えると、中国、インドに続き、3番目に多い人口になる。日本でも「300万人」を超え、まだまだ増える見込みだ。
日本のSNSとしては「mixi」が有名だが、会員数は「1200万人」ほど。国内のSNSとしてはかなり大きな数字だが、やはりFacebookは「英語」というツールが使われている差が大きい。mixiとの違いはこの英語だけって感じがする。そういう意味で、mixiはもったいない。今後拡大する余地が無いので。
閑話休題。。。
この映画は、Facebookが生まれた経緯が描かれている。
元々は「ハーバードコネクション」という、ハーバード大学内部での出会い系サイトというアイデアから始まったらしい。それを主人公のマーク・ザッカーバーグが発展させ、Facebookのベースを作った。
映画の中ではさらりと描かれていたが、やはり1~2ヶ月ほどでこの基礎システムを1人で作り上げたことが凄い。「ハーバードコネクション」の発案者に裁判で訴えられ、結局6900万ドル(約60億円)で和解したようだが、アイデアは全然たいしたことない。これほどの和解金を払うアイデアとは到底思えない。作った人がスゴイのだ。
なので、この映画の構成が、2つの訴えの示談の過程でFacebookの歴史(過去)を振り返る、という構成になっているのは正直退屈だった。1日目で22,000ほどのアクセス(・・結構低いと思うがw 2003年時っていう時代を感じさせるな。。)、ユーザ数が数百人だったFacebookが、何故ここまで広がったのか、その理由というかプロセスに私は興味があったので、そこにもっと焦点を当ててほしかったのだが。
1つ目の訴えの「アイデア盗用」なんて本当にどうでもいい話。ITの世界は「アイデア」より「作ったもの勝ち」の世界だ。しかも早いスピードで。だからこそ優秀なプログラマーが尊敬されるのだ。
しかし、2つ目の、共同創設者エドゥアルドとの争いは、明らかにザッカーバーグ側が悪い。最終的には和解した(金額非公開)ようだが、共にサイトを立ち上げ発展させた友人に対して、こんな仕打ちをするような人物に良い友達はできないだろう。
ザッカーバーグには「信念(理念)」が無い。プログラムを組みたいという目的だけ。だから「理念」を共有している人ではなく、ナップスターの創設者ショーンのような「利益」目的の人しか集まってこない・・ように映画を観て感じた。
よく似た成功例として「Google」があるが、そこがFacebookとGoogleの本質的に違うところ。現在「グーグル秘録」という本を読んでいるが、Googleの創設者サーゲイ・ブリンとラリー・ペイジは設立当初から理念が一貫している。「全ての情報をインデックス化する」、この理念を共有している。だからこそ今でもGoogleは輝きを保っている。
Facebookに理念は無い。どちらもサービスとして利用しているが、Google社には入りたいと思っても、Facebook社に入りたいと思わない(まぁ、mixiも同じだが・・)。
ザッカーバーグは、26歳にして資産69億ドル(約60億円)を保有する(・・理論値らしいけど)。しかし、これだけの資産を持っているのに、映画を観終わった後すごく不幸だと感じた。
それは、オタクだからでも、プログラマーだからでも、人付き合いが苦手で友達が少なそうだからでも無い。理念が無いまま若くしてこれだけの成功を収めた(収めてしまった)ザッカーバーグには、次につながる「夢(目標)」が無いように思えたので。。そういう意味で最後のシーンが印象的だった。
にして、あのバカ騒ぎというか、乱痴気騒ぎ、あれがシリコンバレーのIT業界の成功のゴールなんだろうか??何かバカみたいだが。。自由と無節操を履き違えてるように思える。正直、あれを目標にして何かを始めたい(起業したい)とは到底思わないなぁ。
同じ業界で働く身としては、いろんな意味で、後味の良い映画では無かった。
いずれにせよ、2011年は日本でFacebookが流行る元年になりそう。
ITに興味があろうが無かろうが、その年の初めにこの映画を観ておくのは、タイミングとしては最適。
何はともあれ、観た方が良い映画だ。
フィンチャー監督作品の好みは自分の中で二分することが分かりました
自分の大好きな映画の1つにフィンチャー監督でマイケル・ダグラスさん主演の「ゲーム」があり、これは生涯ベスト10本に入ると思います。同監督作品では「セブン」や「ゾディアック」、「ゴーンガール」、「ドラゴンタトゥーの女」なんかはかなり好きです。
一方、世間の評価が高い「ファイトクラブ」はブラッド・ピットの生き様とか音楽とかがおそらく自分に合わないようで全然ピンと来ませんでした。
そして、今更初めて見た「ソーシャル・ネットワーク」はザッカーバーグ氏のカリスマ性や頭の回転の速さをひけらかす感じ、ショーン・パーカー氏のキャラクターなどがどうもイラついてしまってダメでした。あと話の軸が訴訟に関連する出来事ということもあり、FBの成長ストーリーが描き切れていないように思いました(この映画は成長性ではなく初期の葛藤を描いているのだと思いますが)。
さりはさりとて、話の展開で飽きることはないし退屈するシーンもないのでほんとに感性がハマる人が観たら名作なんだろうと思います。案外フェイススマッシュを一晩で作るあたりが一番面白かったかも。
「優雅な人々の一員になった感想は? 自分のアイデンティティを得た今、次は何になるつもりだい?」
世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス「Facebook」の創始者、マーク・ザッカーバーグがいかにして「Facebook」を立ち上げたのか、そしてその結果として何が起こったのかを描いた伝記映画。
監督は『セブン』『ベンジャミン・バトン』のデヴィッド・フィンチャー。
主人公マーク・ザッカーバーグを演じたのは、『ヴィレッジ』『ゾンビランド』のジェシー・アイゼンバーグ。
ザッカーバーグの親友エドゥアルド・サベリンには、『Dr.パルナサスの鏡』『わたしを離さないで』のアンドリュー・ガーフィールド。
「ナップスター」の創設者ショーン・パーカーを演じたのは『ブラック・スネーク・モーン』『シュレック3』のジャスティン・ティンバーレイク。
双子のエリート学生、ウィンクルボス兄弟を演じたのは、当時TVドラマ等で活躍していたアーミー・ハマー。
ザッカーバーグの元恋人エリカを演じたのは、『エルム街の悪夢』のルーニー・マーラ。
ショーン・パーカーと一夜を共にした女子大生アメリアを演じていたのは、当時ファッション・モデルとして活躍していたダコタ・ジョンソンである。
製作総指揮を務めるのは、『セブン』でフィンチャー監督と共に仕事をしている、レジェンド俳優サー・ケヴィン・スペイシー。
👑受賞歴👑
第83回 アカデミー賞…脚色賞、作曲賞、編集賞の三冠を達成‼️
第68回 ゴールデングローブ賞…脚本賞、作品賞(ドラマ部門)、監督賞、作曲賞の四冠を達成❗️❗️❗️
第36回 ロサンゼルス映画批評家協会賞…作品賞、脚本賞の二冠を達成❗️
第76回 ニューヨーク映画批評家協会賞…作品賞!
第82回 ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞…作品賞!
第16回 放送映画批評家協会賞…作品賞!
第64回 英国アカデミー賞…脚色賞!
第36回 セザール賞…外国映画賞!
原題は「The Social Network」。
ショーン・パーカーなら「the」は取れ!と言うのだろう。
まずこの映画、世界最大のSNS企業「Facebook」の創始者マーク・ザッカーバーグを扱っているが、エンド・クレジットにもあった通りかなりフィクションを交えて描かれているようで、単純に伝記映画とは言えない作品となっている。
映画を観たザッカーバーグ本人は「基本的なところで間違っていることが多々ある。Tシャツのデザインとサンダルは忠実だったけどね。」と言っている。
映画でのザッカーバーグは、振られた元カノのことが忘れられない孤独な男で、彼女を見返すために「Facebook」を作ったように描かれているが、実際には当時から恋人がおり、その人が今の奥さんである。
映画的な面白さを出すため、ザッカーバーグのキャラクター像はかなりフィクションによっていると思った方が良い。
とはいえ、元カノをブログで中傷したことや女の子のルックスを比べさせる「フェイスマッシュ」を作ったことは事実なので嫌な奴には違いないとは思う。
映画冒頭のザッカーバーグとエリカの会話シーンが超重要。
5分くらいのシーンなのだが、ザッカーバーグのファイナルクラブへの執着や体育会系へのコンプレックス、上昇志向、無意識に他人を見下す性格、人の気持ちを理解出来ないことなどが描かれており、今後の物語の方向性を指し示している。
この辺りの演出のスマートさはすばらしい。
映画の構造が変わっているため、観始めてしばらくすると、「ん、どういうこと?」となるのだが、観続けていれば「なるほど。この映画は法廷劇なのね。」とわかる。
観客に陪審員のような役割を与え、ザッカーバーグが罪を犯しているのかどうかを判断させるという構造は面白い。
そのため、映画の決定的な場面、例えばザッカーバーグがウィンクルボスのアイデアをパクったのかとか、本当にエドゥアルドを陥れたのかとか、ショーン・パーカーの薬物使用を通報したのは誰かとか、そういうことはボカして描かれている。
何が真実なのかハッキリさせないというのは、フィンチャー監督の前作『ゾディアック』に通じるところがあると思った。
フィンチャーらしいスマートな演出とカッコ良い絵作りは健在。
地味な映画ながら、サスペンス的な物語の面白さはしっかりあるので観ていて退屈することもない。
キャラクターも魅力的。
ザッカーバーグの天才特有の空気の読めなさとか、エドゥアルドのいい奴なんだけど無能なとことか、ショーン・パーカーの有能なんだけどダメ人間感とか、ウィンクルボス兄弟のエリートゆえの鼻持ちならない感とか、メインキャラ全員が壊れている感じが堪らない。
最高だったのがエンディング曲!
まさかビートルズの「Baby, You're a Rich Man」を持ってくるとは!フィンチャーのセンス最高!
確かにこの曲の歌詞はこの映画にぴったり。ちょっとだけ和訳を引用。
優雅な人々の一員になった感想は?
自分のアイデンティティを得た今
次は何になるつもりだい?
ずっと遠くまで旅をしてきたのかい
目の届く限りのところを?
優雅な人々の一員になった感想は?
あそこへはしょっちゅう行くのかい
いろんなことがわかるようになるくらい頻繁に?
あそこでなにを見たんだい
目に見えないものは何も見なかった?
ベイビー あんたは金持ち
ベイビー あんたは金持ち
ついに金持ちの仲間入りしたんだね
全財産を大きな茶色い袋に詰めて動物園に隠しとくなんて
まったく気が知れないよ
この曲はビートルズのマネージャーだったブライアン・エプスタインを皮肉った歌と言われており、ユダヤ人で同性愛者との噂のあった彼を揶揄する様に、ジョンがコーラスで「金持ちのユダヤ人ホモ」と野次っている。
同じくユダヤ人であるマーク・ザッカーバーグが、エリカに友達申請を送っている場面でこの曲を流すとは、フィンチャーからザッカーバーグへの半端ない毒気を感じる。
たった7年前の出来事を映画化しようと思ったのも凄いが、この内容の映画をつくることを許したマーク・ザッカーバーグの寛容さも凄い気がする。
少なくともこの映画を観れば「Facebook」を使う気がなくなるのではないでしょうか。
映画公開時の「Facebook」登録者数は5億人。
現在の登録者数は27億人。
地球全体の人口が77億人。
地球人の3人に1人は「Facebook」を使っている。
これはもはや世界征服なのでは?
結局なにが良いか
マークザッカーバーグはFacebookを立ち上げ成功し、巨額の富を得た。しかし、親友を失い、元カノへの未練タラタラで虚しげ。
親友のエドゥアルドは不憫だなと感じた。けどあまり役立たず、実力主義の中で淘汰されただけだし、持株割合減らされたけど、結構な額だろうし。
ショーンは物語の流れを変えるいい役割してたし、彼の意見はあながち間違っておらず、発展に大きく貢献した。けれど、薬物問題と人間性が…
この作品でなにが言いたかったのかよく分からんけど、ルーニーマーラ演じるエリカを傷つけたことは許せん笑。
天才であり、僕らと同じ人間
回想のシーンと訴訟のシーンを交互に織り混ぜているのが巧妙であり、切なくもありました。絶大な富を手に入れたものの、愛や友情は失うばかり。何かに振り切った者は何か欠落している、その切なさが伝わって来ました。
ハーバード大生同士の、会話に詰め込まれた情報量の多さが彼らの頭のキレを存分に示していて、やはり天才の集まりなんだなと感じました。
ただ、常に合理的に振る舞うザッカーバーグでしたがラスト、元カノへの未練からFacebookでリクエストを送る場面は彼の人間らしい一面が垣間見えて安心しました笑。
これが天才か。はたまた天災か。
驚くことに、映画的な脚色はあれど、実話なんですよね。調べてみると劇中で騒がれる訴訟問題などは実際にありましたし、登場人物の名前も実在の人物の名前そのままです。
この映画に関しての事前知識はほぼありませんでしたが、「マークザッカーバーグはフェイスブック創始者」「元々は大学内でのコミュニケーションを目的としたSNSだった」ということは知識として知っていました。
結論としては、非常に楽しめました。
フィンチャー監督らしい隅々まで作り上げられた映像や脚本。そしてマーク・ザッカーバーグを演じた主演のジェシー・アイゼンバーグの見事な演技。最高です。こういういけ好かないインテリ役をやらせたら彼の右に出る者はいませんね。『ハミングバードプロジェクト』でも彼の演技は見事でした。現実にあった出来事を描いているので結末はどうなるのか大体分かっているはずなのに展開が目まぐるしくて先が読めない。本当に面白かったです。
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2003年、ハーバード大学に通うIT系の大学生であったマーク・ザッカーバーグ(ジェシー・アイゼンバーグ)は、親友のエドゥアルド(アンドリュー・ガーフィールド)と共に学内でのコミュニケーションを目的とした新しいネットワーキング・サービスを開始する。瞬く間にサービスは大学外まで拡大し、IT系ベンチャー企業社長であったショーン(ジャスティン・ティンバーレイク)の協力もあって社会現象を巻き起こすまでにサービスが普及していった。しかしそのアイディアが盗用であるとして大学のカースト上位(ジョック)であるウィンクルボス兄弟(アーミー・ハマー)から訴えられたり、共同で開発に携わっていたエドゥアルドとの関係も次第に険悪になるなどのトラブルも発生していき……。
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訴訟を起こされて会議室でマークが事情聴取されている現在と、Facebookの開発を進める過去の二つの時系列が交互に展開され、物語が進行していきます。
様々なトラブルに巻き込まれ、しかしそれを意にも介さず着々とフェイスブックを普及させていくマーク。マークに振り回され、彼に対するフラストレーションを溜める出資者のエドゥアルドとウィンクルボス兄弟。途中からプロジェクトに参加し、瞬く間にフェイスブックの幹部ポストに登りつめた天才ショーンなど、様々な人物の思惑が交差して物語はどんどん面白くなっていきます。
「現実にこんなことがあったんだ」ということに驚きを感じますし、自分の知っている有名なSNS誕生秘話だからこそ楽しめる演出も多かったように感じます。
しかしながら問題点も2点ほどあります。
1つ目は、「日本人ってそんなにFacebookについて知らない」ってことです。
やはりアメリカと比べると日本のFacebookの普及率は他のSNSと比べてかなり低く、2019年のデータではLINEの登録者数は8200万人なのに対してFacebookは2600万人。しかも調べてみるとアクティブユーザー数が登録ユーザー数の2パーセント程度というデータもあるらしく、それを加味すれば日常的にFacebookを使っているユーザーは日本だと40~50万人程度ということになります。アメリカでは1億7千万人が利用するSNSサービスですので、「知ってて当然」とばかりに映画はFacebookについて全く説明されないまま進行します。そのため、Facebookを知らない人は置いていかれる展開が何か所かあります。アメリカでは問題ないんでしょうけど、日本人が観るには説明不足感があります。
2つ目は、「マーク本人に取材していない」ってことです。
本作はマークがFacebookを立ち上げるに至ったストーリーを描きますが、マーク本人は取材を拒否していたため、本作はマークに対して訴訟を起こしているエドゥアルドとウィンクルボス兄弟への取材によって作られたストーリーなんだそうです。そのためどちらかと言えばマークを悪く描いた内容になっていると感じられました。実際問題マークは訴訟で負けていたりするので悪者であることは変わりないんですけど、裁判で争っているうちの片方だけに取材した偏った内容の映画であるということは示されてなかったと思うので、それは明記しておくべきだったように感じます
まぁ、上記の不満点は作品全体の面白さに比べれば吹けば飛ぶような些細な問題です。本当に面白い映画であったことは間違いありませんので、ぜひ多くの人に観てほしい作品でした。オススメです!!
ソーシャルネットワーク
マーク ザッカーバーグにとってのFacebookとは垣根を取り払うことだ。大学内でも顕在する階層。その代表とも言えるヨット部の双子の兄弟。彼らの作りたい排他的なサイトとそこから排除されるべきマーク自身が、あいいれるわけがない。
ハーバードの学生なら誰でも平等でいられるマークのFacebookは彼にとって居心地の良いものだったはずだ。
更に言えば、取り繕う事のできない彼は、取り繕う事の出来ないサイトを作る事で、壁を取り払おうとした。
自分をさらけ出す事で損をしている彼自身。Facebookでは皆んなが同じように自身をさらけ出してしまうリスクを負う。
社会性とは何か。見せたい物だけを見せ、都合の悪いものには蓋をして社会の目には触れさせない。そうしたうわべだけのお付き合いを社交と言うのか。
マーク ザッカーバーグの目指した真の垣根の取っ払いは成功したのか。
Facebookは自慢だけでなく恥態も載せているのか。
ネットタツゥという言葉がある。一度書き込んだことは消えない怖さ。でも、本当に消えていないのは事実だということを考えさせられる。
SNSとヒューマンドラマ
マーク・ザッカーバーグ自体の生い立ちやFacebookの成り立ちには興味を持っており、それらを知るだけでも面白かった。
また内容的にはIT関係をある程度知っている私でも話の流れが分かったので、ITやSNSが少しでも生活の中に入っている方には理解できる内容であったのではないか。
マーク・ザッカーバーグが当事者で主役なのにひいき目の作りでないのも面白い部分であり、各所にユーモアも含められており良かった。
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