劇場公開日 2010年2月20日

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ルドandクルシ : 特集

2010年2月8日更新

本国のみならず世界的な評価を集める3人のメキシコ人監督、アルフォンソ・キュアロン、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、ギレルモ・デル・トロが共同で設立した製作会社チャ・チャ・チャ・フイルムズの第1弾作品「ルドandクルシ」が2月20日(土)より公開。キュアロンの傑作「天国の口、終りの楽園。」の名コンビ、ガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナを主演に据え、メキシコで大ヒットを記録した本作の魅力とは?(文:村上健一

人生って…やっぱりいい!メキシコから、自由気ままな極楽兄弟がやってくる!

メキシコの才能が一堂に会した注目の一作
メキシコの才能が一堂に会した注目の一作

■3大巨匠が贈る“フィールグッド”なラテン系人間ドラマ

田舎のバナナ農園を飛び出し、 サッカー選手として大成する兄弟だったが…
田舎のバナナ農園を飛び出し、 サッカー選手として大成する兄弟だったが…

アルフォンソ・キュアロン(「トゥモロー・ワールド」)、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(「バベル」)、ギレルモ・デル・トロ(「パンズ・ラビリンス」)──圧倒的な監督力で全世界を席巻するメキシコの3大監督がプロデュース!と聞くだけで、目利きの映画ファンなら「傑作は間違いなし。だけど今度は、どれだけ重く、辛く、そして苦しい作品なんだろう……?」ときっと思うに違いない。ところがところが、この3人が立ち上げた新スタジオ「チャ・チャ・チャ」の第1弾作品「ルドandクルシ」は、そんな予想を軽快に裏切ってくれた! 本作で描かれる“タフでダサい”凸凹兄弟が繰り広げる人生のアップダウン劇には、なんともメキシコらしいラテン系のノリとユニークさがギッシリ。笑って泣けて、元気をくれる――そんな魅力的な作品に仕上がっているのだ。

片田舎のバナナ園で働く母親想いの凸凹兄弟、ベト(妻子を愛しながらもギャンブル癖が抜けない兄)とタト(歌手を夢見るちょっと天然の弟)は、草サッカーの試合でプロサッカーリーグのスカウト、バトゥータの目に留まり、大都会メキシコ・シティへ。そこで待っていたのは、賄賂や誘惑、数々の思惑が渦巻く“なんでもあり”のメキシコ・サッカー界。持ち前の明るさと能力を武器に、2人は“ルド(タフな乱暴者)”=ベト、“クルシ(軟弱な自惚れ屋)”=タトとしてスタープレイヤーに上り詰め、遂にセレブリティ・ライフを手に入れるが……。

ハイテンションな2人の兄弟のサクセス・ストーリーを軸にしながら、メキシコという国が持つ“大らかさ”と“いかがわしさ”がきっちりと描き込まれている本作。ベトとタトの絆と彼らを取り巻く人間模様に笑わされながらも、最後はホロリと涙。でも、悲しく終わるわけじゃない。「やっぱり人生って捨てたもんじゃないよね」――見終わった後はそんな前向きな気持ちになれる、とっても“フィールグッド”な、やさしい味わいのある1本なのだ。

■ガエル・ガルシア・ベルナル&ディエゴ・ルナ、ダメ兄弟で再タッグ!

あの名コンビが再び!
あの名コンビが再び!

凸凹兄弟を演じるのは、アルフォンソ・キュアロン監督の傑作青春ロードムービー「天国の口、終りの楽園。」の主演コンビ、ガエル・ガルシア・ベルナル(弟タト役)&ディエゴ・ルナ(兄ベト役)。「ブラインドネス」「恋愛睡眠のすすめ」のガエル、「ターミナル」「ミルク」のディエゴ──メキシコを飛び出しハリウッドでも活躍する若手実力派の2人の、「天国の口、終りの楽園。」以来となる絶妙なコンビネーションにも注目だ。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

【試写会レビュー】ラテン系のノリに共感多数!

公開に先立ち行われた試写会でも、ちょっとしたほろ苦さを味わいながらも、ラテン系の陽気なノリに元気をもらえる本作に対して、ユーザーから好意的なコメントが多数寄せられた。その一部を紹介しよう。

○「天国の口、終りの楽園。」のイメージからなんとなく静かな映画を想像していたのですが、明るくて意外でした。ほろ苦いけど陽気で楽しかった。(女性)

○ラテン系なノリで陽気でテキトーな感じが楽しかった。サッカーへの熱狂っぷりがいかにもラテン系な感じ。(女性)

ラテン系の色彩や音楽も好評
ラテン系の色彩や音楽も好評

○なかなかテンポが良かった。人間の“欲”がとても分かりやすく描かれていたと思う。(女性)

○音楽、メキシコのカラフルな映像が良い。(女性)

○ワクワクさせるストーリー、笑わせてくれるユーモア、演技力、音楽、どれも良い!(男性)

○ガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナがスポーツが題材になった(一部ですが)映画に出ていたのが新鮮で面白かった。(女性)

○コメディで始まり、コメディで終わるのかと思いきや、ラストは意外な結末。面白かった。(女性)

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