劇場公開日 2010年3月20日

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「出会いが導く「Starting over」の物語」マイレージ、マイライフ isukeeさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5出会いが導く「Starting over」の物語

2021年9月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

ライアンは抜群に課題解決力が高い、
優秀なビジネスパーソンだと分かる
解雇通知シーンの中で、
とりわけ料理人への道を示唆するシーン、
相手方の背景や現状を把握して、
課題解決の道へと導く様は、
仮に別の職種、
例えば営業マンであったとしても
成功しているはずと感じさせてくれた

ライアンは徹底した合理主義で 無駄なく進むゆえ、
冷たく無味乾燥な人物の
ステレオタイプとして描かれているけれど、
そんな彼が、
ナタリーという23歳の新入社員との
交流を経ることで、
大きく変わった様を主題としていた
ほんのちょっとの変化なんだけど、
そのわずかな変化が、
ライアンの思考に変革をもたらしてしまった

この作品が示唆している哲学は、
どんな人であっても、
人との出会いが変化を与える、
ということだと思う
孤独を求めているライアンに起こった変革に
フォーカスすることで、
その哲学は普遍的であることを強く示していた

再びマイレージなライフに立ち戻るけれど、
ナタリーとの出会いによって生じた変化が、
壮年期のライアンであっても
成長を促しているはずで、
その後の人生は仕切り直されていくと感じた

ラストに用意されてた、
解雇された人々による
エントリーインタビュー映像が
Starting overの象徴のように映されていて、
そのおかげで、
後味の悪さは皆無で
最後までスッキリと鑑賞できた

伊助