劇場公開日 2010年9月18日

THE LAST MESSAGE 海猿 : インタビュー

2010年9月17日更新
画像1

過去の作品と対じしていかなければならない伊藤にとって、日本メジャー配給初となり「海猿」シリーズにとっても初めての試みとなる3D公開について、率直に聞いてみた。「アフレコや音入れが終わった後に決まったんですよ。『3Dになるよ』って聞いたときは、素直に喜べなかったですね。『後処理なのに大丈夫なの?』と思ったし、『3Dにしなくていいんじゃないの?』とも感じました」と当時の心境を吐露する。

しかし、物語の中心に置かれるのは大型台風と火災の猛威にさらされた国家プロジェクトの天然ガスプラント。否が応にも3D向けの舞台としては打ってつけだ。

「スタッフの方々から『海猿に関しては水のシーンが多いから、最初から3Dで撮影したとしても後処理は必要なんだ』と説明を聞いてなるほどと思いましたね。これで成功したら、日本映画の3Dの物差しみたいなものじゃないですか。1年早くても3Dにはならなかったし、半年遅くても邦画大作史上初にはならなかったかもしれない。すべて成功の法則に乗っているんじゃないかと思うことがありますね」と自信をのぞかせた。

(C)2010 フジテレビジョン ROBOT ポニーキャニオン 東宝 小学館 エー・チーム FNS27社
(C)2010 フジテレビジョン ROBOT ポニーキャニオン 東宝 小学館 エー・チーム FNS27社

伊藤扮する仙崎には、これまでにも必ずバディという名の“相棒”が存在してきた。初代は同期の工藤始役の伊藤淳史、2代目は特殊救難隊から派遣されてきた雲上人・池澤真樹で新境地を開拓した仲村トオル、3代目はお調子者の後輩・吉岡哲也を等身大で好演した佐藤隆太。そして今回、天然ガスプラント「レガリア」で暫定的にバディを組んだのが、潜水士2年目の服部拓也役の三浦翔平。家族全員が「海猿」ファンだという三浦の存在は、伊藤にとっても大きなカンフル剤になったようだ。

「若いし、かわいい顔をしているし、大丈夫かな? と思っていたんですが、そんな心配をよそにしっかりやっていました。それに『海猿』ファンだといって入ってきたので、彼の前では苦しむ顔は見せられないし、すべて当たり前の顔をしてやっているのはしんどかったですね。僕のデビューが23歳で、彼は撮影時21歳だったのですが、よく物おじせずにやれるなあって感心しちゃいますよ。僕にとっては刺激になりましたね」

画像3

夫となり父となった仙崎は、これまで猪突猛進のごとく邁進してきた仕事に対し、死への恐怖という新たな問題に直面する。仙崎大輔という潜水士がスーパーマンではなく、ひとりの人間だということを見る者に訴えかける瞬間でもあり、伊藤も「今回は最も人間くささが出ているんじゃないですかね」と話す。そんな新たな一面を随所にちりばめながら、ついに「海猿」シリーズは完結へと向かう。

「羽住監督もおっしゃっていたのですが、とにかく今回は3Dも含めて覚悟をもってやったんだ。その覚悟を受け取ってほしいという思いでいっぱいです。とにかく今は公開までのキャンペーンを頑張って、ひとりでも多くの方に見てもらえるように頑張ります」

インタビュー3 ~「海猿」に裏切られたことがない羽住英一郎監督の達成感
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る
「THE LAST MESSAGE 海猿」の作品トップへ