劇場公開日 2009年11月21日

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ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない : 映画評論・批評

2009年11月24日更新

2009年11月21日よりシネクイントほかにてロードショー

自分が応援されたような感覚になる爽やかな快作

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原作は2ちゃんねるのスレッドで、会社もの。もしやリアリティそっちのけで、状況を誇張しまくった無茶な映画になっているのでは、と危惧していた。が、そんな予想を見事に裏切ってくれた快作だ。

ブラック会社とは、社員に極悪な労働環境や条件を強いる、「ヤバい」会社のこと。引きこもりのニートだったマ男が、やっとのことで就職した零細IT企業はまさに、そんなブラック会社の極みだった!

「キサラギ」でもキャラクターをとことん立たせ、手際のいいストーリーテリングを見せた監督が、今回もセンスを発揮している。もちろん登場する社員たちは誇張されたキャラばかりだ。しかし、どのキャラも壮絶な個性で笑わせながら(ときに苛々させながら)、ギリギリのところでリアリティを保ち、「そんなやついねーよ!」と白けさせることがない。さらに、アニメやら戦場、「三国志」などを使った映像の遊びがうまく機能。不条理にさらされながらもがんばるマ男の心情、切実さをくっきりと浮かび上がらせるのだ。

ラストにはやや強引さがあるものの、小池徹平の持ち味も手伝い、爽やかな着地。自分が応援されたような感覚になる。会社員でなくとも、がんばっている人なら誰もが主人公に感情移入し、「ああー、わかるよわかる!」と、まるで自分の物語のように共感できるはずだ!

若林ゆり

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