劇場公開日 2009年1月31日

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「最期にドラマチックなど、求めてはいけない…」チェ 39歳 別れの手紙 ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5最期にドラマチックなど、求めてはいけない…

2009年2月1日

悲しい

難しい

う~ん……何といえばよいか……辛いですね。

まさに淡々、淡々と、起こった事象をひとつひとつ丁寧に描いていく、チェ・ゲバラ後半戦。
1作目の様な、国連演説のシーンを随所に挟むトリッキーな構成も何もなく…只、淡々と…
…死に向かって…

でも、元々それは仕方のない事なんです。
そもそも1作目からソダーバーグが監督をしてる時点で、ドキュメンタリー手法を観させられる覚悟はしてましたし…
それに―
これは事実だったんだもんね…実際、起こったことなんだから。
脚色も出来なければ、セリフだって嘘んこは喋らせられない。
その時、チェが取った行動が、この映画の流れなんですから…
ドラマチックな展開は望めない…ましてやカタルシスなんて以ての外。

この手法が本当に正しかったのか…まさに観客一人一人の捉え方なんでしょうね。
自分は…本当に観てて、辛かった…
で、今回B+かAか非常に迷いました。普段はポンポンA判定にするんですけど…
ボリビア大統領がアルメイダおじ様(『デスペラード』のブチョ!)だったのでAに傾き掛け…フランカ・ポテンテで止めを刺されそうになりましたけど…『ラン・ローラ・ラン』以来のファンなのでw
いやいや、それはさて置き……

本当の意味で、チェという男を理解する為の133分でした。
そして、ボリビアでの341日間でした。

ロロ・トマシ