「俺は相手がタヌキであろうと全力を尽くす!」映画ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0俺は相手がタヌキであろうと全力を尽くす!

2020年4月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 「どこでもドア」は10光年の範囲内しか使えない!知らなかった。空き地を野球部を追い出された中学生たちに奪われ、遊び場所を求めていたのび太たち。彼が夢の中で出会った少女たちがシンクロし、のび太の部屋の畳と宇宙船が繋がってしまう。故障したその宇宙船は「タイムふろしき」で修理して、ロップルたちは無事に7年前から居住しているコーヤコーヤ星に戻っていたのだ。

 序盤では、そのコーヤコーヤ星に到着したのび太とドラえもん。いきなりの津波に巻き込まれるというシーンがある。東日本大震災をも想起させるが、公開されたのは2009年だ。また、奇妙な動物がいっぱい登場し、巨大なナメクジなんてのも気持ち悪いし、可愛いと思えるのはウサギのチャーミーくらい。人によっては序盤だけでも受け入れられないかもしれません。

 不思議なことに、大人目線で見ると大丈夫なのかと思われる点がいくつもある。まずは、移民問題で7年前に住み着いてから、これ以上移民を受け付けないということ。そして重力の違いでのび太たちがスーパーマンのようにガルタイト鉱業をやっつけるのですが、企業だからいいようなものの他国への内政干渉にも底触する虞がある。占拠した星の所有権だとか、かなり煩わしい問題になりそうです。

 そんな見方をしていると、モリーナ(香里奈)の主張だけは正しいみたいだけど、ガルタイト側の主張も、海賊行為だけは許せませんがひょっとすると正しくなるかもしれません。ただし。タイトル通り、アメリカ西部劇の要素を取り入れているみたいだし、コーヤコーヤ星の住民がもっとイジメを受け、我慢の限界が来るほどのものじゃないとダメかも。さすがに子ども向け作品で大虐殺なんてのは描けないのだろうけど。

 また、ガルタイト鉱業にも隠ぺい体質があるようだし、宇宙警察の行動も遅い上に汚水の調査なんかも全くない。さらに最後には予定調和的な・・・やめとこ。

kossy