劇場公開日 2008年9月27日

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「そうです。私がアイアンマ~ン。」アイアンマン いきいきさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5そうです。私がアイアンマ~ン。

2008年9月20日

笑える

楽しい

興奮



 皮肉的な要素が含まれていて、
 浅くはないがシンプルで分かりやすいストーリーの
 ヒーローものが観たい人は寄っといで。
 メカ好きで、メカ萌え~な人たち寄っといで。

 巨大軍事企業スターク・インダストリーズという
 米国政府と契約を結んでいる会社の社長で、
 天才発明家でもあるトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は、
 新型兵器のデモンストレーション実験のためにアフガニスタンへ向かい、
 実験は見事に成功するが、その直後にテロ組織の襲撃に遭い、
 深い傷を胸に負って、拉致されてしまう。
 そして、テロ組織のために兵器の開発を強要されるも、
 密かにごついが飛行可能なパワードスーツを開発し、
 命の恩人を救うことは出来なかったが、それを身につけ、
 自社の兵器を破壊し、脱出に成功する。
 この体験によりテロ組織に自社の兵器が利用されていることを知り、
 悩んだトニー・スタークは武器製造の中止を宣言し、テロ撲滅のために、
 パワードスーツの改良に取り掛かり、失敗を重ねた末に、
 徐々にパワードスーツを性能アップさせ、
 家庭内手工業のアイアンマンが誕生する。

 ダークナイト の公開まで3億ドル越えの大ヒットで、
 今年の米国ナンバー1だったのは、
 多くの米国民にとっては納得だったんだろうか、
 ビックリだったんだろうか。
 日本ではどうでしょうか。
 他のヒーローモノの状況を見てると、また厳しそうではありますが、
 意外にいっちゃうのかな。明るく、分かりやすいから。

 まずアフガニスタンでの
 武器のデモンストレーション終わりの楽しげな車中からの、
 拉致されてしまうシーンから始まります。
 そして、時間は戻り、どんな人物かを一気に紹介、
 他の登場人物の人となりもよく分かる。
 授賞式には出席せず、トニー・スタークは遊んでおります。
 女にもだらしないようであります。自信たっぷりのデモンストレーション。
 ここまでで原作を知らない僕にもトニー・スタークがどんな人物なのか、
 分かりやす過ぎるぐらいによく分かる。
 そんなトニー・スタークを原作のイメージ通りだとしても、
 ヒーローモノに何故ロバート・ダウニー・Jrのようなオッサンで、
 ドラッグ絡みで騒がせてきて、
 ちょっとヒーローには似つかわしくないんじゃないか、
 という役者が選ばれたのかも納得してしまう。
 同じ生身の人間のヒーローであるバットマンとは違って、
 ダークさがなく天才発明家で陽気な億万長者なのになぜか憎めない
 トニー・スタークという人物に、
 久しぶりに帰ってきて食べたいのがチーズ・バーガーだったり、
 ピザにかぶりつき、プレイボーイな役にピッタリで、
 実にハマッていると思う。

 仕事のパートナーであるオバディア・スターンを演じる
 ジェフ・ブリッジスは、
 ちょっと役者も演技も分かりやす過ぎるかな、と思わないでもないけど、
 それも狙い通りでしょうか。
 グウィネス・パルトローの品格のある秘書ぶりは、
 日々トニー・スタークに振り回されている様子を感じさせ、
 嫌々ながら手をトニー・スタークの体に
 突っ込むシーンなども悪くなくいいが、
 友人の将校を演じるテレンス・ハワードのインテリな感じでの、
 要所でのセリフはもっといいな。2では大活躍ですか?

 パワードスーツの開発過程は一気にではなく、丁寧に時間を割いて見せる。
 テロ組織内での密かな手作り感一杯の開発では
 アークリアクターの説明が重要であり、
 それなりの時間を割き、更に自宅での開発過程も丁寧に描く。
 一気に開発して、
 世界中の武器を破壊して回るというのでもよかったのだろうが、
 それはそれで爽快感があったのかもしれないが、孤独にロボットというか、
 アームたちというか、消火器クンと、開発を行う様を描く過程に味がある。
 はじめの飛行実験では派手に失敗し、
 徐々に飛行が巧くなっていく様子が楽しげで、
 無茶をして危ないことになり、改良を重ねていく。

 そして、開発が終了し、目標が定まっての出撃。
 装着シーンをじっくりと見せてくれ、かなりカッコいい。
 アイアンマン自体はフォルムはいいとしても、
 あのマスクがカッコいいとは思わないんだけどね。

 今作では自社の武器を破壊するのは脱出する時と、
 命の恩人であるイェンセンの弔い合戦のような1回だけで、
 それはちょっと物足りなかったけどね。贈り物はカッコよかったよ。
 振り向いての爆発もね。

 その後の空での攻防も面白かった。
 どこと、なのかは書かないでおきますが、そうなっちゃうだろうね。
 そこでのオチもナイスだね。

 で、なんだかんだあってのラストバトルは、失敗が活きて、
 空での攻防があってこそのバトルで、ちょっと強引だったけど、
 それなりに派手だったな。
 でも、ラスボスが初めての装着で、
 普通に飛べちゃったのはいいのだろうか?

 ストーリー運びに関しては大きな驚きもなく、実に素直な感じで、
 単純なアメコミヒーローのビギニングストーリーと言えなくもないが、
 面白味がないとも言えなくもなかったけど、
 それは2に期待すればいいのでしょう。
 2では悩み、苦しむ様子も出てくるのでしょう。色々とね。

 もちろんスタン・リーさんも出演しております。好きだなぁ。

 エンドロール後にワンシーンあり、
 わざわざエンドロール前に字幕まで入っていました。
 インクレディブル・ハルクには、
 この作品のトニー・スタークが出てきたようだが、
 この作品ではあの人が出てきて、あのチームのことを語る。

いきいき