劇場公開日 2008年4月19日

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「チェッ!ストか・・・この駄洒落より寒いです。」チェスト! ジョルジュ・トーニオさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0チェッ!ストか・・・この駄洒落より寒いです。

<ストーリー>
隼人は鹿児島に住む小6。「負けるな!嘘をつくな!弱いものをいじめるな!」という、鹿児島伝統の郷中教育の教えを守る、正義感の強い子。しかし彼の唯一の嘘が、毎年行われる遠泳大会を仮病でさぼっていること。

しかし今年が出場の最後のチャンスで、漁師の父のプレッシャーと、同じくここまで過敏性腸症候群で出場を辞退していた、クラスメイトの雄太も出場するとあって出場せざるを得なくなる。しかしクラスで唯一出場を辞退した生徒がいた。転校生の智明だ。ある"事件"で彼が泳ぎがうまいことを知った隼人は、彼に泳ぎを教えてほしいと頼み込む。

<個人的戯言>
成長物語であることはよくわかっていましたが、ストーリーバレバレでも、真摯にテーマを大事にした作品を作ってほしいものです。笑えもしないギャグや、乗り越えることにより成長するためのエピソードを詰め込み過ぎたため、それぞれの話があまりにも薄いものになる等、ただ時間を潰すためのシーンのオンパレード。おまけに役者の演技もあれでは、グアンタナモの拷問よりきつい?(嘘)

観る作品は選ぶようにしないといけないと思わせてくれる(?)作品です(唯一のメリット?)。

始まった瞬間から、既に役者の演技のレベルの低さと、更に輪をかけるオーバー・アクション付きのギャグのつもり(?)の「何か」(○ローバーフィールドではありません)が襲ってきます・・・基繰り返されます。もうこの時点でお金払ったこと、時間を使ったことを後悔しました。

予告を観た時点で、よくあるストーリーというのはわかっていますが、そこをどう丁寧に見せるかが真価を問われるところなのに、上記のようなシーンで時間が費やされていき、おまけに1エピソードさえまともに出来ないのに、ここに盛り込まれている成長のための「障害」が、何と3つも入れられれば、当然それぞれの話に深みなどあるわけもなく、様々な苦難を乗り越えるという、この手の話の一番の醍醐味は感じられず、せいぜい1クッション置いたくらいで決着してしまいます。

一人張り切る高嶋兄(イエ~イ!)は、浮きまくりの上に、鹿児島弁が聞き取り不能。その奥さん役の大坪千夏(何という人選・・・)もハイテンションお付き合い。主役の子役がうまければ、この手の映画の評価は上がりますが、子役オーディションってしたんですよね?まだ小デブな男の子が主役の方がよかったかも。

フジテレビの子会社、共同テレビジョン製作だから資金も集まるのでしょうか?相当コネクションが強いのでしょう。おまけに文科省推薦って・・・だからか?問題の文化庁からお金出てます・・・

ちなみに「チェスト」とは英語のchestで「思い」とかの思ったのですが、鹿児島で使われている、気合を入れる掛け声のようなものだそうで、基は薩摩藩の古流剣術、影之流から来ているそうです・・・その精神からは程遠いです。

ジョルジュ・トーニオ