劇場公開日 2008年4月26日

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「よくも悪くも定番ファンタジーです。ちょっとあっさりし過ぎかも。ラストはちょっといい話。」スパイダーウィックの謎 ジョルジュ・トーニオさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0よくも悪くも定番ファンタジーです。ちょっとあっさりし過ぎかも。ラストはちょっといい話。

<ストーリー>
両親の離婚でNYから、大叔母が持っていた森の中の屋敷に引っ越した母子家族。双子の一人、ジャレッドは、父のことが大好きで、父と離れてこんな田舎に住むことに不満。到着後すぐに母や姉と衝突するが、彼はその家に何かが住みついているのを感じる。音のするところを探るうちに隠し部屋を見つけた彼は、そこで「決して開いてはならない」と書かれた書物を見つける。警告を無視してその書を開くと・・・

<個人的戯言>
普段この手のファンタジーを観ない私ですが、予告篇で定番のファンタジーとは違うものを感じて鑑賞。しかし作品は所謂王道ファンタジー映画。CGも特別驚くものではありませんでした。ストーリー的にも結構決着が付くのが早く、やや拍子抜け。主役の家族以外の話で締めるラストは結構よかったかも。また個人的に懐かしい顔が見れたのも印象度UP!

たぶん普通にファンタジーがお好きな方には、一定レベルには達しているのでしょう(普段観ないので不明)。定番ファンタジー以外のものを期待していた私には、
やはり物足りないものになりました。CGも特別凄さを感じるものでもなく、キャラクター的にも「パンズ・ラビリンス」のグロさの後で、この妖精をグロいと言われても・・・

ストーリーも結構難関を次々クリアしてしまい、ほとんどドキドキ感なし。主役の家族の話も盛り上げる要素の仕込みがあまりなく、それもすぐに解決をみてしまいます。むしろこの家族以外の話の方がラストになっていて、これは時空をも超える話で結構いいと思います。

キャストは「チャリチョコ」のフレディ・ハイモアが双子の兄弟の二役をこなしていて、性格の違う双子を自然な感じで演じ分けています。更にニック・ノルティが邪悪な妖精でちょこっと、書の作者をデヴィッド・ストラザーン、妖精の声で「インナー・スペース」で有名なコメディアン、マーティン・ショートと、結構豪華。

で個人的には姉マロリー役のサラ・ボルジャー。もしかしてと思いましたが・・・世間的にさして注目されなかったけど、大好きで劇場で3回、その後ビデオやDVDで何回も観た「イン・アメリカ/三つの小さな願いごと」の、ストーリー・テラー的役割を兼ねた長女役をしていた女優。同映画に同じく出演していた実の妹、エマ・ボルジャーが「ハイジ」で主演までしていたのに、お姉ちゃんはどうしたんだろうと思っていましたが、大きくなりました・・・気分は父親気分。正直子供の時の方が可愛かったけど、演技は相変わらず確かでした。

ジョルジュ・トーニオ