劇場公開日 2008年8月30日

「悪いところまで原作通り」20世紀少年 山上 朮さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5悪いところまで原作通り

2008年10月3日

原作の再現度は結構なものだと思います。原作愛は伝わる。
登場人物が多過ぎるという印象。140分に収めなければならない都合は解るんですが、それでももっと時間を上手く使えたのでは、とも思います。

で、映画を観て浦沢直樹の漫画が私に合わないのを確認しました。
『20世紀少年』も2000年で終わってれば良い漫画だったんですけどねぇ。
後付け設定で物語を延命するというのは連載漫画では珍しくないんですが、浦沢直樹の特徴は、カタルシスをも先送りすること。
ストレスを溜めながら風呂敷を広げる手腕は見事だけど、それが解放されない。
映画の第1作目は、その原作を承継し、ひたすらストレスを溜めるだけのパートになっています。

とはいえ、映画では20015年から始まるオープニングで2000年の敗北を暗示してるだけマシなんでしょうか。
あの冗長なイントロは、原作を読んでないと通じない気もしますが。

山上 朮