劇場公開日 2008年8月30日

「正直微妙」20世紀少年 ダース平太さんの映画レビュー(感想・評価)

1.5正直微妙

2008年9月22日

楽しい

単純

鵜呑みにすることは到底できないけれど、公式発表によれば3部作の総製作費が60億円に及ぶという本作は、日本映画としてはこれまでにない大きな取り組みではあるかもしれない。また、なかなか完成度の高いCGや、代役を思い浮かべるのが難しい豪華キャストは、確かに一見の価値はある。でも、面白いか、面白くなかったかだけを問われたとしたら、正直微妙だった。

 堤監督は原作原理主義を貫いたと言っているけれど、原作をそのまま映画化する(そもそもあれだけ長いシリーズをそのまま映画化するのは無理なのに。。)のであれば映画化する意味はあまり感じないし、何より映画監督として何ら冒険してないと思う。映画には映画独自のダイナミズムがあるのにね。

 ただ、極めて映画向きの原作だとは思ったし、観ていて、撮りようによってはもっと面白くなったんじゃないかと思う要素もあったので、何とも勿体ないと思った。まあ浦沢直樹自身が、広げすぎた風呂敷を畳まないまま、たいがい連載の途中でトーンダウンしちゃう人なので、3部作が終わった後で、原作を読み終えた時のような消化不良を感じる可能性も多々あるんだけれども。。

ダース平太