劇場公開日 2012年6月30日

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「ダイナミックさは減ったが、瑞々しく繊細でシャープな新章」アメイジング・スパイダーマン 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ダイナミックさは減ったが、瑞々しく繊細でシャープな新章

2012年6月24日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

興奮

前3部作から何年も経たない内にリブート(再起動)だなんて
ビジネスの臭いがしてヤだなぁと考えてしまうが、そんな事情は
面白い映画を創るぜッ!という作り手の情熱とはまた少し別な話。
実際、本作はかなりかなり楽しんで観る事ができましたよ。

サム・ライミ監督版のようなマンガチックでケレン味溢れる画が無いのは残念だが、
本作のアクションは前よりスピーディでシャープな感じ。
ヒーロー映画としての雰囲気は少々薄めだが、
キャラや話の展開にウジウジした所が無くアップテンポなのも好印象だ。

特に今回のスパイダーマン=ピーターはスマート&アクティブ。
主人公は能力を得る前から、気に入らない事に毅然と立ち向かう勇気を備えている。
頭の回転が早すぎてちょっと挙動不審に見える感じもリアル(笑)。
直情型だし、恋にも積極的だし、若く瑞々しい。

それに彼は、人を救う為なら正体を隠す事にそんなにこだわらない。
彼が少年を救出するシーンが凄く好き。
“ヒーローとは、勇気を持つ者ではなく、勇気を与える者”
そんな事を思わせてくれる。

仇敵リザードとなるコナーズ博士も◎!
親友の息子を大切に想う気持ち、力を得た後の傲慢さ、そして、新たな腕の最後の使い道……。
高潔さと脆さを併せ持つ人物像に同情してしまう。ガラスに両腕を映すシーンの表情に泣いた……。

次に、新ヒロイン・グウェンはとびきりキュート!なだけじゃない。
知力面でも、人の気持ちを読む面でも、このヒロインは賢い。
ここぞと言う時の度胸もあり、守られてばかりじゃない所が素敵。
自警団ピーターに警察官である父の姿を重ねる場面も良い。
グウェンの父親もステレオタイプなカタブツではなく、
スジの通った思考の持ち主だった。最後の活躍には感動です。

さてここから不満点。
まずはスコア。J・ホーナーの曲はいつも個性が薄くて僕はあまり好きじゃない。
このテのヒーロー映画にはもっとキャッチーでダイナミックな曲が欲しいです。
あとはリザードのデザインがド直球過ぎるのも残念かな。
それに、3D効果が薄く感じられる点も△。無理に3Dで観る必要は無いかと。

そんな小言を挟みつつ、すでに続編を楽しみにしている自分がいますよ。
判定4.0か4.5で迷ったが、ちょいと高めの4.5判定で!

あ、エンドロールが始まってもすぐ帰らないでくださいね!
ほんのちょっとだが続きがありますよ。

<2012/6/23鑑賞>

浮遊きびなご