劇場公開日 2009年5月29日

  • 予告編を見る

「最高のライド」スター・トレック SAOSHIーTONYさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0最高のライド

2011年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

この作品を観るにあたって私は軽い予習しかしませんでした。オリジナル映画版と2作目の「カーン~」さらに「ファースト コンタクト」を観て雰囲気だけは掴めた気になっていました。しかし、今日このエイブラムズ版「スタートレック」はそんなことをしなくてもまったく問題がなくストーリーに入っていく事ができました。ただ、予想していなかったのはこれ程までに完璧な作品になっているとは思いませんでした。そして、映画が終わった後私は監督のJ.J エイブラムズに心から“こんな作品を作ってくれてありがとう!”と叫びたくなりました。この映画は今年観たものの中では今のところ最高の作品です。

主人公は偉大なる父親を持つ若き日のカーク。
彼の生い立ちから物語は始まり彼やスポック、ボーンズ、スコッティさらにはウフーラといったエンタープライズ号のメンバーが結成されるきっかけとなる最初の任務を描いてのですが、実は未来からタイムスリップしたあの方の物語でもあります。

注目は俳優陣の最高の演技、複雑に絡む人間関係、迫力のアクションシーンと並べればきりがないのですが、単純に言うと全てです。この作品はもうはっきり言って「スタートレック」を愛して止まない人達によって作られたものだという事は間違いありません。特にJ.Jエイブラムズが制作したテレビドラマ「LOST」のように登場人物を一人一人紹介した後に丁寧に一つずつ人間関係を作り上げていく手法を用いた重厚な人間関係は必見です。もうカークとスポックが対立する度心臓がドキドキしていました。

それから、俳優陣の演技はもう最高でした。噂のイケメン俳優クリス パインを筆頭に今後ブレイクする事間違いなしの彼らの活躍は素晴らしかったです。私としては若き日のスポックを演じたザッカリー クイントの演技が印象的でした。

そして、何と言っても凄かったのがアクションシーンの数々です。スターシップ同士の戦闘シーンも凄かったのですが、やはり好きだったのはあのスターシップからの落下シーン。アレは本当に爽快な気分になりました。もう「M・I-Ⅲ」なんて言う問題ではありません。アレは映画館の大スクリーン体験してほしいです。

さて、ここでいつもなら弱点がどうのこうのと偉そうに言うところなんですが、もうはっきり言って何もありません。昔からオリジナルテレビシリーズのファンだった人達はもう大喜びする事と思います。ただ、一つだけ心配なのはミッションが開始されてからの状況説明的な台詞があまりにも多すぎて予備知識なしで観た人達の頭がパンク状態になり、ギブアップしてしまう人達が出てくるのではないかという点です。世の中の人達が私のようにエンドロールが流れるまで映画が良かったかどうかを判断する人達ばかりならいいのですが、そうでない人達も沢山います。残念ながらそういった人達にはこの作品の良さは伝わらないと思います。“どうか最初から最後までワンシーンも逃すことなく観てから判断してください!”という事しか私には言えません。

もう既に続編の制作もあるとのことですが、私としては本当に楽しみです。本当にこのような作品と巡り会えてよかったです。最高でした。

SAOSHIーTONY